弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ42)

今日:39 hit、昨日:9 hit、合計:1,532,131 hit

87話ページ42

.

当たり前？

.

.

.

貴「 …

大好きなみんながデビューするのに

喜ばれへんやつおる？

そんなん誰だって

笑ってお祝いするに決まっとるやん」

.

そう言ってAは笑う。

けど今度はどこかぎこちない笑顔。

.

なんでそんな表情するん？

それって…っ

.

.

.

中「本心とちゃうやろ？」

「「「！？」」」

小「淳太くん」

.

俺も同じことを思ってた。

絶対本心で言うとるんとちゃう。

そんなん誰だって分かる。

A嘘つくの下手やねん。

根が素直やからすぐに表情に出る。

.

.

.

貴「ほ、本心に決まっとるやん！

何言うとるん？

当たりま「やったら！！」！？」

濵「 …なんでそんな悲しそうな顔しとるん？」

貴「濵ちゃん？」

.

あのいつも温厚でニコニコしとる濵田くんが、

初めて声を荒たげた。

その姿にはこの場におった誰もが驚く。

.

.

.

濵「ちょっと来い」

.

濵田くんは半ば強引にAの腕を引っ張ると

部屋の真ん中にあるソファに座す。

Aは何がなんだか分からず混乱しとる。

.

.

.

濵「 A。

俺は、このデビューには納得いってへんねん」

貴「え？」

.

戸惑いを隠せへんAに、

濵田くんはAの目線に合わすように目の前にしゃがむと

真っ直ぐ目を見てそう言った。

そして。

.

.

.

ｷﾞｭｯ

貴「！？」

.

Aを強く抱き締めた。

.

.

.

濵「無理せんといてって何回言うたら分かってくれるん？

もう我慢せんで？

俺らにはAが必要や。

.

Aがおらな輝けんのやっ」

.

この言葉と同時に俺の目には一粒の涙が伝った。

他のメンバーの方を見ると

みんな濵田くんとAを静かに見つめて、

そして静かに涙を流していた。

.

.

.

.

貴「 …ご…めん…なさいっ」

.