弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ5)

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50話ページ5

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" ため息ついたら幸せ逃げるんやで？

Aは笑っとる方がええよ？

笑顔のAめっちゃ好きやから！ "

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何故かふと思い出した、

昔、濵ちゃんから言われた言葉。

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確か私がジャニーズ入ってしばらく経った頃。

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毎日のようにアンチに叩かれ、

レッスン場に行くとJr.の子からいじめられてたあの時。

精神的に辛くて、消えちゃいたいと思ってた時。

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毎日のようにため息をついて、

頭ん中で "いつジャニーズ辞めようかな？"

ってずっと考えとった。

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その時に濵ちゃんが言うてくれたのが上記の言葉。

この言葉がめっちゃ嬉しくて、

“ 頑張ろ ” って思えた。

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この言葉は今も昔も私の一番大事な言葉。

このおかげで今の私がおるって言うても過言やないくらい。

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まぁ、濵ちゃんは覚えてへんかもしれんけど。

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打ち合わせの帰りメンバーが車で帰る中、

気晴らしに散歩しながら帰ることにした。

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一応歩いて帰るって声かけたけど

誰も聞いてへんみたいや。

まぁ、ええか。

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明るい通りを抜け、

街灯もない暗い道に出る。

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今日は綺麗な満月。

どこからか虫の鳴く声が聞こえてくる。

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最近仕事忙しくて、

月とか見れてへんかったから新鮮味を感じるな。

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貴「 …はぁ」

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無意識についたため息。

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昔は濵ちゃんと月見ながら帰ったりしたなぁ。

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…ってまた過去のこと思い出してもうた。

もうどんなに願っても戻らへんこと分かっとるのに。

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「ため息ついたら幸せ逃げるで？」

貴「？！」

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突然後ろからそんな声が聞こえてきた。

なんで、帰ったはずじゃ…っ

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貴「濵田さん、なんで…ここに？」

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私がそう言うと優しく微笑む濵ちゃん。

何故か息が切れている。

もしかして走ってきてくれたん？

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濵「 …A、一緒に帰ろ？」

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