弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ32)

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77話ページ32

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そしてカウントダウンコンサートが幕を開ける。

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まだ高校生やった俺は

カウコンのステージに立てへんから

Jrと一緒の席でステージを見つめる。

手には『ジャニーズWEST4 』と書かれた大きな紙を持って。

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そして運命のデビュー発表。

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ステージでは淳太くん、照史くん、しげが。

3人とも笑顔が引きつっていて、

無理矢理笑おうとしとる。

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3人が『ええじゃないか』を歌いながら

俺の元に来てくれる。

4人がカメラにぬかれる。

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上手く笑おうと頑張ったけど、

頭の中に4人の顔が浮かんで笑えない。

ううん、笑われへんかった。

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4人は今、テレビ見とるんやろか？

どんな気持ちで見とるんやろ？

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ふと客席を見ると、

俺らのことを知ってくれとるのか

悲しい顔をしとるファンの人らが多く見えた。

ごめんな、ほんまにごめんなっ。

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カウコンが終わった後に携帯を見ると、

8人でデビューするための

LINEグループに4人からメッセージが来ていた。

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文章だけでも伝わってくる。

4人とも強がっているようにしか見えへん。

誤字脱字も結構ある。

4人を苦しめとる原因が俺らだと思うと、

また胸が苦しくなった。

そして、

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Aデビューおめでとう。

4人ならきっとテッペンとれるよ。

誰よりも応援してるから。

私らの分まで頑張ってね^^*

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そう送信された後に、

Aはグルチャを退会した。

その後に続くように、

濵田くんと神ちゃんと流星も。

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俺は携帯を握りしめたまま泣き崩れた。

俺だけやない。

淳太くんも照史くんもしげも、

みんな泣いとった。

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『デビュー』

なんてそんな輝かしいもんなんかやない。

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俺らにとって『デビュー』は

苦しく辛いものやった。

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