弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ23)

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68話ページ23

貴方 side

家に入ると早速暴言の嵐。

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「なんで帰ってきたん？」

「ほんま厄介やわ」

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なんで帰ってきたん？って言われても、

この前帰らんかったらめっちゃ連絡してきたやん。

それに帰るとこここしかないし。

厄介なんは前から分かってますよ。

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なんて心の中で言いながら周りを見渡すと

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貴「あれ？」

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濵ちゃんは？

私より先に家に入ったやんね？

なんでおらんの？

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テーブルの上には綺麗にラップをかけられた夜ご飯が一つ。

私の分じゃないことは確かやから、

誰か食べてへんことになる。

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まさか、濵ちゃん？

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気になることはたくさんあるけど

メンバーに聞けるはずもなく、

私は自分の部屋に戻った。

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貴「 …はぁ」

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今日の濵ちゃん。

なんかおかしかったなぁ。

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突然一緒に帰ろ言うてきたり、

手繋いだり、

私に優しくしてくれたり。

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いつもの濵ちゃんとちゃうかった。

まるで仲の良かった頃みたいな…

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貴「 …あ“ぁ“もう！」

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何故か怒りが込み上げてきて、

私は近くにあったクッションを壁に投げつけた。

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…もう何も期待せんって決めたんや。

どうせ濵ちゃんの言葉も偽りに決まっとる。

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期待したってどうせ裏切られて

傷つくのは目に見えとるんや。

やから絶対、絶対期待なんてせん。

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ベッドにダイブして、枕に顔を埋める。

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貴「もう…信じるもんか」

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急に睡魔が襲ってきて、

私はそのまま目を閉じた。

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意識を手放す直前、

どこからか微かに泣き声が聞こえたのは気のせい？

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