弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ22)

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67話ページ22

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懐かしい思い出に浸っとると、

気づけば家がすぐそこに。

車があるってことはみんな帰っとるんや。

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俺が「家や」と言った後、

Aの顔が少し強ばる。

俺の手を握る力が少し強くなる。

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怖いんや。

家に帰るといじめられるから。

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今の俺ならAを助けられるかもしれん。

望の言葉を無視してまで

Aを追いかけたんやもん。

やけど…

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濵「よっしゃ！

今日の夜ご飯は何やろな♪ 」

貴「は…まださん？」

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俺はAの手を離して家に向かって走った。

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Aと一緒に家に入ったら

なんか言われそうで、急に怖くなった。

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車に乗って帰らんかったことは

コンビニ行っとったとか言うたらごまかしがきく。

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濵「ごめん、A…っ」

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Aの温もりが消えた手をぎゅっと握ると、

家まで振り返らずに走る。

Aの悲しそうな顔を打ち払うようにして。

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ｶﾞﾁｬｯ

小「あ！濵ちゃんお帰り！

なにしとったんよ！

俺の言葉無視してぇ(*｀3´)ﾉ」

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家に入ると、

俺の帰りを待ちわびていたのか

望が嬉しそうに、

そして文句を言いながら近づいてくる。

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濵「ごめん。

コンビニ行かなアカンの忘れとってん笑」

小「おっちょこちょいやな笑

ご飯出来とるから食べようや！」

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そう言うと俺の手を握ろうとする。

その姿にさっきのAのことを思い出して

咄嗟に望の手を払ってしまった。

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「え？」と言って悲しそうな顔をする望。

痛む心をぎゅっと抑えて

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濵「ごめん、望。

ちょっと疲れたから、先寝るわ」

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そう言って自分の部屋へと向かった。

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部屋に入ると、

一気に色んなことに対しての後悔の念が押し寄せてきて、

ドアに寄りかかって左手で髪をつかむ。

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濵「あほ…あほやわ、俺っ」

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いつまでも自分に甘い。

弱虫な自分が大嫌いやっ。

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