弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ37)

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82話ページ37

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小「 …着いた」

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幸い撮影場所から事務所はそんなに遠くなかったから、

あっという間に着いた。

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重「行くで、小瀧」

小「う、うん！」

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事務所に来たの片手で数える程しかなかったから

少し緊張する。

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それに事務所の中はめっちゃ静かで、

俺らの足音が響くだけ。

事務所独特の雰囲気にさらに緊張感が増す。

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前来た時は何人か事務所の人おったのに、

今日は誰一人おらへんな。

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重「ここやな」

小「！！」

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気づいたら社長室の前におった。

しげの後について行きよっただけやから

全然気づかんかった…←

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“ 社長室 ”

と書かれたドアプレートを見て

今さっきと比べもんにさらへんくらい緊張してきた。

緊張で手が震える。

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重「ちょっと緊張するな」

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しげも同じことを思ってたらしく、

目の下に笑窪をつくってクシャッと笑う。

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そうや、俺は一人やない。

しげが隣におってくれとる。

それにこの部屋の中には今、

淳太くんと照史くんが居るはずや。

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あの4人のためにも、俺らのためにも

ちゃんと自分の口で8人でデビューしたいって言わな。

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重「じゃあ入るで。

…覚悟は決まっとるか」

小「当たり前や。

もう何があっても後悔せんように覚悟決めとる」

重「よし、じゃあ開けるで」

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しげは真剣な顔をすると、

コンコンッと扉をノックする。

部屋の中からは「どうぞ」という声が。

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この中に入ればもう後には戻れん。

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やけど…やったんねん。

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またみんなで笑い合える未来をつくるために。

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重･小「失礼しますっ！」

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