弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ34)

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79話ページ34

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撮影が終わると、

淳太くんと照史くんは事務所に行った。

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『俺らが何とかするから』

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そう言い残して。

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ちゃう、そうやない…っ。

誰かに任せるとかやないやん。

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なんで淳太くんと照史くんだけで頑張ろうとするん？

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俺だって高校生やで？

もう子どもなんかやない、

大体のことは分かる。

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それに、もう同じメンバーやん。

なのになんで頼ってくれへんの？

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何度考えてもマイナスの考えが頭を回るだけ。

こんなこと考えたらあかんことくらい

分かっとるのに。

淳太くんと照史くんは俺らに負担かけんために

動いてくれとるって分かっとるのに。

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納得いかへんねん…っ。

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重「小瀧」

小「！！しげ… 」

重「大丈夫か？

めっちゃ暗い顔しとるけど」

小「う、うん。

大丈夫、ありがとう」

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帰る準備が終わったしげは

一向に帰る準備をせえへん俺に、

心配そうな顔で声をかけてくれた。

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弱い部分を見せたくなくて、

精一杯の笑顔で「大丈夫」と答える。

やけど、

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重「なに無理しとん」

小「え？」

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重「何年同じグループとして活動してきた思とん？

お前が無理して笑てることなんてお見通しや、あほ」

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そう言ってデコピンをしてきた。

痛いはずやのに、

なんか嬉しくて

自然と涙が出てきた。

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重「ちょっ！なんで泣くねん！」

小「だってぇだってえええ」

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不器用ながらもしげの優しさが伝わってくる。

なんか心が温かくなった。

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重「だってなんやねん笑

たくぅ…

お前が溜め込んどるもん

全部俺に吐き出してみ。

聞いたるから」

小「しげ…っ」

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それから俺はしげに

自分が思とることを全部話した。

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