弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ17)

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62話ページ17

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歌い終わって、ステージ脇に戻るとすぐに Aの周りに人が集まる。

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桐「 A、大丈夫か？」

貴「え？」

神「団扇、気づいたんやろ？」

貴「 …うん、まぁ笑」

藤「ほんま無理したあかんで？」

貴「無理なんかしてへんよ。

心配してくれてありがとうね」

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そう言って俺らに笑顔を見せる。

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向「確か A.B.C-Z の曲終わったら

A としげのコーナーあるやん！」

西「あ、ほんまや。

え、大丈夫なん？」

全「「「 … 」」」

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コーナーに出んわけにはいけへんけど

Aにまた辛い思いさせることは…

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「大丈夫」

全「「「！？」」」

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貴「出えへんわけにはいかんし

そんなことで仕事投げ出さんで。

待ってくれとる人もおるしね」

濵「 A… 」

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Aのプロ精神は俺らも尊敬するほど。

こんな状況やったら誰も逃げ出したくなるはずやのに、

Aは待ってくれとる自分のファンのことを一番に考えてステージに立つ。

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自分の精神状態がきつい時でも

ファンの人のことを考えられるのはほんまに凄いなと思う。

俺なら自分でいっぱいいっぱいになりそうやから。

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みんな心配そうに見つめる中、

Aはコーナーの準備のため台本に目を通す。

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Aはやると一度決めたら絶対に投げ出さん。

やったら俺に出来ることはただ1つ。

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濵「何かあったらフォローするから

ちゃんとファンの人笑顔にしてきいや」

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応援すること。

そうしたらAも

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貴「 …任せとき」

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そう言って笑ってくれるやろ？

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「花宮さん、重岡さん

スタンバイお願いします！！」

貴「はーい！

ほら、しげ行くで！」

重「お、おん！」

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そう言うてステージに向かって行くAに、

俺は心の中で “ 頑張れ ” と呟いた。

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