弱虫で、強虫な。 3 【JWEST】

133話 ページ44

.









貴 「 …え？ 」









.









淳太くんの言葉を聞いた後、



一瞬だけ、時が止まったかのように


周りの音全てが聞こえんくなった。









.









.









な、なんで知ってるん？





私、柊真のジャニーさん以外に言うてへんやんな？









.









.









中 「 …その顔は図星みたいやな 」









.









そう言って ははっ、と短く笑う。








.









.









不意をつかれて何も言い返すことが出来んかった。









.









昨日の今日で？



こんな早うに辞めることバレてしもうた。









.









.









驚いて言葉が出ん。




でも、バレたからにはそれなりの覚悟せな。









どうせ暴言吐かれたり、



暴力奮われたりするに決まっとるから。









.









そう思って下を向いてギュッと強く目を閉じた。









.









.









やけど淳太くんから返ってきた言葉は


あまりにも意外すぎる言葉やった。









.









.









.









中 「 …なぁ、A。








.









.









.









…辞めんなよ。









.









.









.









俺から離れんでや…っ 」









貴 「 え？ 」









.









意外すぎる言葉に驚いて顔を上げると、




目の前におる淳太くんの表情は悲しげに歪んでいて、


目からは今にも涙が溢れそうになっとった。









.









.









ほんまならこんなこと言われて嬉しいかもしれん。









『 まだ私はここにおってええんや 』



って、きっとずっと前の私ならそう思っていた。









でもね、今はそれよりも。









.









.









.









貴 「 …何勝手な事言うとるんの？ 」









.









.









“ 怒り ” や “ 憎しみ ”




の感情が大きいんや。









.

134話→←132話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す