先輩いち ページ1
恋に落ちる瞬間はそこら中にあるんだと思う。
幼稚園でも小学校でも中学校でも習い事でも、そこら中に恋の始まりのかけらは落ちているはずなのに。
今まで全く見つけられなかった。
だから高校でもきっとダメなんだろうなって考えていた矢先にある事件が起こった。
お財布が無い。
多分、校内で落としたんだ。
そう思って必死に探し回ったけど、見つからなくて目に涙が浮かんできた時。
あの人に出会った。
「大丈夫か?」
「……お財布落としてしまって、探してるんですけど見つからなくて」
あのお財布には去年天国に行ってしまったペットの写真が入っている。
大切なものだったから見つからないと困る。
そう言ったら、その人は一緒に必死になって私のお財布を探してくれた。
「これ!これじゃないか?」
「そ、それです……!」
「見つかって良かったな。もう落とさないようにな!」
1時間も探してくれたのに文句も言わずに笑いかけてくれたその人に、私はあっさり恋に落ちた。
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作者名:エビチャーハン | 作成日時:2018年10月17日 0時