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年上キラーページ10

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「えっ、お姉さん！」

『こんばんは、また会っちゃいましたね』

「いや！え、こんな事あります？」

度重なる偶然の出会いに二人とも笑いが堪えきれず、小さな店の中に私たちの笑い声が響き渡った

彼はそのまま私の右隣に座ると慣れた手つきでネクタイを緩めて「じゃあ、いつもの」と言い、また視線が重なった

お互いの肩と肩が触れてしまいそうな程の距離感、これがまた余計に私の鼓動を速くさせる

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「ここにはよく来るんですか？」

『学生時代からお世話になってて、今日はたまたまです』

「へぇ、じゃあ俺ラッキーだ！たまたまの日に会えるの、今日来てよかった」

なんて突拍子のないことを平気で言うもんだから、すごく調子が狂う

一瞬で頬が赤く染まっていくのが自分でもわかって、わざと咳をして誤魔化した

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「そういえば名前聞いてなかったですよね？改めまして、森本慎太郎です」

『木下Aです』

「何か合コンみたいっすね」

『ははっ、確かに。改めてよろしくお願いします、森本さん』

「森本さんじゃなくて慎太郎がいいです」

『じゃあ慎太郎くん？』

「俺はAさんでいいですか？」

『うん、いいよ』

彼は人との距離を縮めるのが上手すぎるというか、なんというか
すごく人懐っこくて、常に笑顔で、見ているだけでこちらも元気がもらえるそんな人だった

実はお酒は弱いんだとか実家の犬が可愛いんだとか、話せば話すほど明るくて優しくて良い人で女将さんが気に入るのも無理もない

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