アイのカタチ (ページ1)

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分からないページ1

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月明かりのせいかイルミネーションのように光るネオンのせいか、夜空が薄白い

街ゆく人々は皆楽しそうにすれ違っていき、真っ赤な唇をした女の甘ったるい香水の匂いがやけに鼻に纏わり付く

考えただけで吐き気がするくらいこの街は人間の欲と金で塗りつぶされている

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やたらと眩しい照明に照らされエレベーターに乗りボタンを押すと大きな機械音を立てて上へと上がっていく

『はよーございます』

「おはよ、」

ソファに座りながらパソコン作業をするスーツ姿の男の隣に行き煙草に火を付けた

『ねぇふっか、今日早上がりしてもいい？』

「お前が早上がりとか珍しいな、何かあんの？」

『特にない、疲れただけ』

テーブルに綺麗に並べられた灰皿にまだ火を付けたばかりの煙草を押し付けて横になった

『辞めようかなこの仕事』

天井には大きなシャンデリアがいくつも飾られていて
オレンジ色の照明が反射して眩しくて眉間にシワが寄った

「お前からこの仕事取ったら何が残るんだよ、それにうちの店のNo.1がいなくなったら困るわ」

『ふっ、確かに。私のおかげじゃん、ちゃんと感謝してよね』

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高校を卒業した後、行く当てもなく何となくで始めた水商売がこんなにも続くと最初は思ってもなくて

だからこそ私からこの仕事を取ったら何も残らないの

そう、空っぽな人間

「早く着替えて用意して来いよ」

『はーい』

重たい腰を上げ更衣室へと向かった

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