君と消えた光 ページ23
すぐに事態を把握して多くのヒーローが駆けつけた。HNでこの事態を聞きつけ、Aをよく知るファットガムを初めとする関西のヒーローも此方へ向かってきているらしい。
市民を避難誘導するチームと、作戦遂行チームに分かれて行動することになった。
「イレイザー、矢張り敵の本体を見ないと個性は消せませんか？」
「…あぁ、残念だがそうだ。妻をなんとかしたい気持ちは分かるが、敵を見付けることが先決だ」
情報班に調べて貰うと、敵は本当に小説家であった。あまりなの馳せていない、何処にでもいるような男。
「此奴は今どこに居るんだ…」
「ヒーロー！聞こえますか」
インカムから響くのは女性警察官の声だ。
「どうした、何かあったのか」
応答するイレイザーヘッドの声に、女性警察官は動揺を隠せない様子で応答する。
「──────敵を確保しました！自宅にいたんです！」
敵は驚くべき事に県内の自宅にいた。警察が突入しても抵抗もせずにパトカーに乗り込んだというのだ。
すぐに数名のヒーローと共に警察署へ向かうと、男は丁度事情聴取を受けている所だった。
今すぐにタコの足で締め上げたい気持ちを抑えながら部屋に入る俺を見るなり男はまるで友人を歓迎するかのように笑った。
「やぁ！サンイーターじゃないか！君の顔が直に見られるなんてね！」
「黙れ"ライター"」
後からイレイザーが部屋に入り、男に向けて個性を放つ。
「…もうこれでお前は終わりだ、何がしたかった？」
忌々しげに言葉を吐き出す俺とは対照的に、男は喉を震わせてくくく、と笑い出す。
「はっはっはっ！あー！残念だよ残念！そんな浅はかな考えをしていたなんて！
真逆俺を直接イレイザーヘッドが見れば、個性が消えて彼女が救えるとでも！？」
不気味な笑顔に背筋に悪寒が走る。バッとスマホを取り出し、生中継している様子を開いた。
その画面の中では依然として黒い紋様に身体を染めたAが黒い靄を纏ってビルの屋上に佇んでいる。
「……嘘だ、そんな──────」
身体中を絶望感が包む。手が届くその寸前、暗闇の中で仄かに漏れていた光が──────閉ざされた。
「…言ったはずだろう、彼女は歩く厄災。俺の個性以前に、彼女の身体は乗っ取られた。
俺の"シナリオ"で彼女は死神と"なって"しまった。
毒は止まらないよ、彼女はもう元には戻らない。戻る時は──────その心臓が止まるときさ」
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alto(プロフ) - 素晴らしい作品でした！上手く表現出来ないのですが、とっても感動しました…！心が暖かくなりました。出てくるキャラがみんないい人過ぎて…すみません、言葉が纏まらないほど興奮してます！これからも応援してます！ (2020年9月12日 22時) (
レス) id: 22bf36de90 (このIDを非表示/違反報告)
星空_kanata_(プロフ) - 初コメです！この小説大好きで既に3回程読み直してます。天喰くんが推しなのですが初見の時は大号泣でした！他の小説も同じ作者さんとは気づいてなかったのですが、読みました！とても面白かったです！時間があれば、また天喰くんの話書いてくれたらな、と思います！ (2020年8月30日 1時) (レス) id: c2e895435f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃奈瑠璃 - これほどまで感動した小説ありません！いい小説です！もう言葉に言い表せないくらい！ (2020年7月25日 14時) (レス) id: ce4d25fc12 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - シュラスさん» コメント遅くなって大変申し訳ございません！気づきませんでした…！ミリオも大活躍でしたよね…！段々と天喰くんのお陰で強くなれた彼女ちゃんです…！感動して頂けて嬉しいです！ (2020年4月2日 11時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 藍煙(元もも)さん» コメント大変遅くなってごめんなさい…！気づきませんでした…。ありがとうございます！最後まで読んでくださってもう感激です…！本当ですか！？なんだかとっても嬉しいです！執筆頑張ってください！ (2020年4月2日 11時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年5月7日 17時
