クリスマスが来たよ ページ39
くるりん、ねじれちゃんから借りたコテで髪の毛を巻いてみた。
白いモコモコのついたロングコートに赤いベレー帽。巻いた髪の毛。それに薄づきピンクのリップ。
「…うん、大丈夫」
お誘いがあってからファッション雑誌を買って読み込んだのだ。きっと大丈夫だろう。
読みすぎてソファに張り付くようにふにゃんとなってしまった雑誌に感謝しつつ、私は部屋の鍵を閉めた。
談話室で駄弁っているクラスメイトにニヤニヤとした目付きで見られながら足早に玄関を出るとひんやりとしていた。
「おはよう」
ふと声を掛けられ、横を見れば紺色のコートを身にまとった環くんがいた。
「あっ、環くん、おはよう！」
嬉しくなって勢いよくそう言うと彼はくすりと笑みを零した。
「朝から元気だね」
「だって、環くんとクリスマスデートだよ？」
そりゃ元気になるよ、とにんまり笑うと環くんは簡単に頬を染めてしまう。
「…本当、そういうこと言われると…、色々緩みそうだから辞めてくれ」
ふるふると顔を覆って言う環くんに納得した──────緩みそう、というのは屹度気持ちと口元だろう。
デートなのに、今日の環くんは…言い方があれだが初めの挨拶がいつもよりスマートだった。
(…クリスマスだから、格好よくしてたかったのかな)
そんなことしなくたって環くんは格好いいし、私は今みたいに赤くなって照れている環くんが大好きなのだ。
「私、環くんのそういうところ大好き」
素直に、正直に、はにかみながら言うと、彼は耐えきれなくなって私の手を引いて歩き出した──────
クリスマスイヴの街並みはすっかりツリーとリースとサンタクロースで溢れている。
彩るのは赤やシルバー、緑やゴールドのオーナメント。
──────の中で、私たちは手を繋いだまま歩いていた。
しかし、いつまで経っても普通の繋ぎ方で、私は少し不服に思ってしまう。
(──────伝われ)
そう思い、環くんの手をぎゅぎゅ、と2回力を込めると肩をビクリと動かした。
ちょっと間を置いてからす、と力が緩んで。
離れた手に、ゆっくりと指を絡めて、恋人繋ぎになった。
「…今日は、我儘なんでも言って」
ぽつり、環くんの呟きに見上げると、頬をほんのり染めた環くんが熱っぽい瞳で見詰めていた。
「うん、そうするね」
環くんもだよ、そう言うと、環くんは嬉しそうにこくりと頷くのだった。
言わなくちゃいけない事、言ったよ【変更しました！】→←デートのお誘いを受けたよ
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豆腐ちゃん - 環くん…………最高すぎだろ…… さては、主さん天才だな！？神なんだな！？、いや本当にこの小説の人たちには同担拒否が仕事しないww (2023年3月12日 23時) (
レス) @page19 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈴蘭さん» コメント気づかなくてごめんなさい…！コメントありがとうございます！2回目の閲覧なのですね…、嬉しいです！環くん出てきましたね…！私も大興奮でした！これからも頑張ります！ (2019年12月30日 16時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 数ヶ月ぶりにまた見に来ました！相変わらず素敵な作品ですね！いよいよ環くんアニメで出てきましたね！これからも頑張ってください！ (2019年12月1日 11時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 雫さん» コメントに気づくのが遅くなってごめんなさい…！コメントありがとうございます！素敵な作品…、更に好きとまで言って頂けて至福の極みです…！うわああ、天喰くんを更に好きになったというその言葉が一番嬉しいです…！これからも色々な作品で頑張ります！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - かなさん» とっっっても素敵な作品でした！！あろまさんの作品めっっっちゃ好きです！！！更に天喰くん大好きになりました！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2019年8月2日 20時) (レス) id: b93c2cbed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年4月14日 23時
