天喰くんとチャンス【ぴのさんリクエスト】 ページ33
からんからん、からん────法被を来た男の人が、大きなベルを鳴らす
賑わう商店街の中、私は目をぱちくりさせていた
「お嬢ちゃん！おめでとうさん！
一等賞や！！」
わーっと背後で買い物客が拍手をする中、私は手の中の招待券に呆然としていた
「温泉旅行、団体様招待券…？」
「さぁさ！今日はみんな田畑ちゃんに感謝やで！」
バスの中ではまるで修学旅行生を引率する先生の様にマイクを持ってファットガムが音頭を取っている
ファットガムに押されて前に出ると、社員全員に「おおきに！」と言われる
恥ずかしくなっていそいそと席に戻ると、隣の席の友人が笑う
「てかA、ホンマに凄いなぁ！
真逆一等賞当てるなんて」
彼処の商店街で一等賞が出たの、初めてとちゃうか？なんて首を傾げる友人に「私も真逆当たるとは…」と苦笑いする
一等賞はすなわち────温泉旅行、団体様招待券だった
部屋代が無料で、食事代はサービスは此方持ちの、半額券の様なものだ
ちょうど対象人数がが社員数程だったので、ファットガムに提案したところ、大賛成の言葉を貰ったのだ
ちらりと天喰くんを見ると、身体の大きさの為に一人で寂しく座っているファットガムの話し相手になっていた
(天喰くんも喜んでくれてたし…、良かったな)
思わず口元に弧を描いていると、横からニヤニヤ顔の友人がぬっと顔を出す
「おやおやぁ？ダーリン見つめてどないしたんです？」
「だっ、だ…！？」
同じ部屋やなくて残念やったな！なんて意地悪に高笑いする友人に「ちょっと！」と声を上げる
────そんな友人と戯れる私を、天喰くんが見つめているとは露知らず
「…ーい、おーい、環」
前からの呼び声にハッとすると、ファットガムが席を立って此方を見ていた
「返事がないからビビったやないか」
「…すみません」
真逆、付き合いたてホヤホヤの彼女を見ていました、なんて口が裂けても言えない
すっかり口を噤む環の姿に察したらしいファットガムが席に着いてから口を開く
「田畑ちゃんやろ、わかりやすいなぁ」
ケラケラと笑うファットガムに思わず「うっ」と声が漏れる
「…お見通しなんですね」
「そりゃあ、環メロメロやからなぁー」
返す言葉も見当たらなくて羞恥に浸っていると────
「大丈夫や、チャンスは用意しとる」
ファットガムの意味深な発言に、俺は首を傾げるのだった
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あろま(プロフ) - 明華莉さん» うわわ、ありがとうございます…！そう言って頂けて嬉しいです…！天喰くんの小説はこれからも書いていきますので、ご覧くだされば幸いです！最後まで更新頑張ります！ (2019年5月4日 7時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
明華莉(プロフ) - 全然大丈夫です！もうこの作品が読めなくなると思うと悲しいです。更新頑張ってください！ (2019年5月3日 23時) (レス) id: 460d75f05a (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 明華莉さん» リクエストの件なのですが、実は私最後にシリアスを書こうかなと思っていまして…、内容は異なるのですが、明華莉様のリクエストの様なシリアス物語になると思います。少し書くのが難しそうなので、そちらでもよろしいでしょうか？ (2019年5月3日 21時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 明華莉さん» コメントありがとうございます！勿体ないほどの褒め言葉まで頂き感激です…！天喰くんが好きなのですね！実はこのシリーズをもう終わりにしようと考えていまして…、ごめんなさい。でもそう言って頂けて嬉しいです！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
明華莉(プロフ) - あと、リクエストいいでしょうか？時間軸は、婚約後で、夢主ちゃんが交通事故に遭い記憶が前世になるというストーリーを書いてもらいたいのですが…ご検討おねがいします。 (2019年5月3日 15時) (レス) id: 460d75f05a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年4月1日 22時
