たまきと新婚旅行【サンさんリクエスト】 ページ17
どんどん流れていく外の景色を、私は落ち着かない気持ちで見つめていた
「…A？」
不意に名前を呼ばれ、びくりと肩を揺らして見上げると────席を立っていたたまきが戻ってきていた
「なぁに？」と首を傾げるとたまきは座りながらもう一度私の顔を覗き込んで
「なんか、緊張してる？」
ずばり、図星を言い当てられ、私は「うっ…」と声を漏らした
「緊張…っていうか、だって────」
目の前に座るたまきを見つめる────いつも優しく触れる手の薬指にはキラリと輝く指輪
そして、拳を握る私の指にも同じ指輪
「たまきとの、新婚旅行、だもん…」
結婚してから約2週間後────私たちは新婚旅行に来ていた
「緊張もするよ…」と言うと、たまきはふっと笑みを零す
「あっ、笑った！」
「いや、…俺も緊張してるから、安心した」
困ったように頬をポリポリ搔くたまきの表情は、確かにちょっと緊張してるかもしれない
(そっか…たまきも、同じなんだ)
緊張でたまきの様子に気がつけなかった自分に反省しつつ、私はたまきの手をぎゅっと握り締めた
「…そっか、私たち、同じだね」
するとたまきは僅かに頬を赤らめて「うん」と頷く
「でも…、緊張しなくていい、もう結婚してるんだから」
「そ、そうだけど…、なんかむず痒いというか…」
手をお互い握りながら、あたふたと視線を右往左往させる
もう2週間経ったけれど、このむず痒いような幸せは一向に無くなる気配はなくて
────ずっと、ずっと、たまきと幸せでいたい
そんなことを願って、私は握る力をほんの少しだけ、強くした
静岡から2時間と少し────私たちは古都・京都に来ていた
満開の桜を見上げて、私は目を細める
「たまき、桜綺麗…！」
静岡でも咲いていたけれど、際立って綺麗に映える
たまきは「本当だ…」と呟きながらカメラを構えた
分厚い本格的なカメラをたまきが買ったのは結婚する少し前────なんでも「Aとの思い出を全部収めたい」とのこと
熱烈なコメントを思い出すだけで今でも胸がきゅっとなる
「A」
呼ばれて振り向くと、いきなり写真を撮られた
「あっ、ちょっと！」
「…ふ、変な顔」
カメラの画面を見て笑いを零すたまきの表情に、自然と私も笑ってしまう
「そう、その顔」
パシャリ、カメラを向けたたまきの表情は────ひどく愛おしげだった
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あろま(プロフ) - 明華莉さん» うわわ、ありがとうございます…！そう言って頂けて嬉しいです…！天喰くんの小説はこれからも書いていきますので、ご覧くだされば幸いです！最後まで更新頑張ります！ (2019年5月4日 7時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
明華莉(プロフ) - 全然大丈夫です！もうこの作品が読めなくなると思うと悲しいです。更新頑張ってください！ (2019年5月3日 23時) (レス) id: 460d75f05a (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 明華莉さん» リクエストの件なのですが、実は私最後にシリアスを書こうかなと思っていまして…、内容は異なるのですが、明華莉様のリクエストの様なシリアス物語になると思います。少し書くのが難しそうなので、そちらでもよろしいでしょうか？ (2019年5月3日 21時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 明華莉さん» コメントありがとうございます！勿体ないほどの褒め言葉まで頂き感激です…！天喰くんが好きなのですね！実はこのシリーズをもう終わりにしようと考えていまして…、ごめんなさい。でもそう言って頂けて嬉しいです！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
明華莉(プロフ) - あと、リクエストいいでしょうか？時間軸は、婚約後で、夢主ちゃんが交通事故に遭い記憶が前世になるというストーリーを書いてもらいたいのですが…ご検討おねがいします。 (2019年5月3日 15時) (レス) id: 460d75f05a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年4月1日 22時
