何度でも ページ13
羞恥心に参ってしまったAの唇に堪らず音を立ててキスを落とすと、おもろい程肩が揺れた。
「約束やからな。嘘は無しやで」
そのまま見下ろしたまま笑えば、Aは「うん、約束」と微笑んだ。その微笑みは、どんなモデルよりアイドルより、女子アナよりずっとずっと柔らかくて、綺麗で。好きやっちゅう気持ちが溢れて、俺はAの上から退くと同時に腕を引いて腕の中に抱き締める。
「…俺、ホンマにA好きやねん。結婚出来て良かったわ」
「私も、侑といられて幸せ」
いつも俺から積極的にスキンシップをばかりやからあんまりAが甘えることはないけど、抱きしめるとAは背中に腕を回してすりすりと頬を寄せた。
「こどもは男の子も欲しいし、女の子も欲しいわ。ちっさい頃からバレー教えるねん」
「ふふ、言うと思った」
「後はな、色んなところ連れてきたいわ。そや、世界一周もしたいなぁ。A、夢やろ?」
「うん。私の夢」
「フッフ、この俺がなんでも叶えたるからな」
そのためにもう大分貯めとるんやで、とあくどい顔で笑うとAは目を丸くして此方を凝視する。
「ほんと…?」
「おう。ホンマや。やって、嫁さんを幸せにするのが旦那様の仕事やろ」
頭を撫でながら笑いかけると、Aは俺の胸板に顔を押し当てて黙り込んでしもた。
「ありがとう、侑…」
「なに涙ぐんどん。笑ってや、ほら」
顔を上げさせて柔らかい頬を両方掴むと、むにょんと頬が広がる。「いひゃい」と涙ぐみながら笑うAに、俺も自然と笑みが漏れた。
「何度でも、俺がこれから笑わせたるから」
「やから、俺の傍におっとってな」と改めて言うとAは満面の笑みを浮かべて「勿論」と囁いて、そのまま顔を近づけた。
『Aからちゅーとか珍しいやん。可愛すぎやろ。もっかいして?』
『…言われるとやだ』
『じゃあ俺からしてえぇ?』
『ちょ、どこ触ってるの!』
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静狐 - 最初から最後まで読ませていただきました!!この作品すっごく好きです!!文化祭のところとかもうにやにやしながら読んでました!台本変えちゃう侑がかっこよかったです! (2020年7月23日 3時) (レス) id: 0292f2bd22 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 望叶mokaさん» こちらこそリクエストありがとうございました!消化が遅くなってしまってすみませんでした…。でも喜んで頂けて本当に嬉しいです!素敵なネタで書くのが楽しかったです! (2020年5月8日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
望叶moka(プロフ) - リクエスト答えて下さりありがとうございます!もう最高すぎです………(≧∀≦) (2020年5月6日 0時) (レス) id: b04e5afd09 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます!うわぁあ、夢中になって読んでくださって嬉しいです!私もこんな風にアプローチされたいなーと思いながら書いてました(笑)コメントとっても嬉しいです! (2020年4月19日 20時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - コメント失礼します。今日一日で最後まで読み切れてしまうほど素敵な小説でした、、、!侑くんと治くんのアプローチにずっと胸がギュンギュンしました〜(;_;)! 最高です! (2020年4月17日 18時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あろま | 作成日時:2020年3月28日 21時