触れる熱 ページ11
時折髪を伝って滴り落ちる水と、触れる唇の温度差が、熱情を掻き立てる。
そのまま何度もキスを繰り返しながら、俺はAをソファに押し倒した。行き場のない手も、足も、しっかりと逃げられんように押し付けて。
「はぁ…っ、あ、つむ…?」
熱に浮かされた顔で名前なんか呼ばんで欲しい。単純な俺は、それだけで理性なんか忘れてしまいそうになんねん。
堪らず首筋に舌を這わせると、Aは「ひっ、う」と小さく声を漏らして身体を震わせた。俺より2回りも小さい身体。壊さないように、慎重に、触れていく。ちゅ、と唇と同じようにキスを落とすと、Aが「今日ね」と語り出す。
「侑が旦那さんだって、ある生徒にバレちゃった」
「ん、えぇやん。…ちゅーか、今話さんでもえぇやろ」
少しでもこない状況なんに、俺から気逸らした事が気に食わんくて耳元で囁くも、それでもAは言葉を続けた。
「…っ、侑の、ファンだって言ってた。その生徒、女の子で…」
「……」
Aの声音がいつもとはちゃう。顔を上げて見れば、不安気な顔をしとった。
「…嫉妬、したん?」
「嫉妬、っていうか。その子がそんなつもりじゃないって分かってるけど、ちょっと、微妙な気分っていうか…」
かぁあ、と頬を赤らめるAが可愛くて。ホンマに、俺の事で表情をクルクル変えるAに愛おしさを感じる。試合見に来とるときに俺への黄色い悲鳴が上がったときと同じ顔しとって、俺は笑てしもた。
「…ふ、ふふ。Aはホンマかわえぇな」
頬に小さくキスをすると、恥じらいながらも嬉しそうにふわりと笑う顔に、俺の心臓は射抜かれる。自分の余裕が無くなっていくのを感じながら「俺も嫉妬するわ、男子高校生にな」
「え…?」
「こないかわえぇ先生に授業してもらうんやで?俺やったら狙っとる。いや、手出しとる」
首筋に顔を近づけ、強く吸い付くとAほ少し身体を強ばられた。離したところには赤い華。
「やから、手出せんようにシルシ付けとかな。な?」
我ながら意地の悪い顔を浮かべとると、Aは息を飲んでから赤い顔で小さく頷いた。
素直で、従順。ホンマに、俺の心を揺さぶる。
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静狐 - 最初から最後まで読ませていただきました!!この作品すっごく好きです!!文化祭のところとかもうにやにやしながら読んでました!台本変えちゃう侑がかっこよかったです! (2020年7月23日 3時) (レス) id: 0292f2bd22 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 望叶mokaさん» こちらこそリクエストありがとうございました!消化が遅くなってしまってすみませんでした…。でも喜んで頂けて本当に嬉しいです!素敵なネタで書くのが楽しかったです! (2020年5月8日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
望叶moka(プロフ) - リクエスト答えて下さりありがとうございます!もう最高すぎです………(≧∀≦) (2020年5月6日 0時) (レス) id: b04e5afd09 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます!うわぁあ、夢中になって読んでくださって嬉しいです!私もこんな風にアプローチされたいなーと思いながら書いてました(笑)コメントとっても嬉しいです! (2020年4月19日 20時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - コメント失礼します。今日一日で最後まで読み切れてしまうほど素敵な小説でした、、、!侑くんと治くんのアプローチにずっと胸がギュンギュンしました〜(;_;)! 最高です! (2020年4月17日 18時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あろま | 作成日時:2020年3月28日 21時