天竺葵:冨岡義勇 ページ10
*これからは花の名前を和名で表記します!
冨岡義勇は言葉が足りない。昔から皆に言われてきた事だった。
言葉だけじゃなかった。愛情表現も足りなかった。抱き締めることも、手を繋ぐことも、口吸いをすることも。私たちの間には何も無かった。
私は彼の愛を信じていない。
「冨岡様」
夜、ひとつ屋根の下。同じ部屋に居るというのに、彼は刀の手入れをするばかり。
未だに濡れた髪の毛を無防備に流し、新しく下ろした浴衣を着ている恋人が隣にいるにも関わらず、彼は見向きもしないでいるのだ。
「少しお休みになったらどうです?」
「…今は忙しい」
想いが真に通じあっているかは不明だが、彼の事は誰よりもよく知っている。質問に対してはぐらかし、答えないときは"怒っている"か"そっとしておいて欲しい"ときだ。
「冨岡様…、いえ、ねぇ、義勇。どうして貴方は私にそっけないの?」
様付けする理由なんて、彼が柱であることぐらいだ。私たちは同じ育て──────鱗滝さんに鬼殺隊員にして貰った仲間。いわば家族。幼なじみだ。
それなのに、いつからか義勇は他人行儀になってしまった。想いを伝えてきたのは彼なのに、私の事をちっとも愛してはくれない。
「俺に構うな。早く髪の毛を乾かせ。風邪をひく」
此方を一瞥することもせずに義勇は刀を仕舞って部屋を出ていってしまった。
「…何処から間違ったのかしら」
どれだけ問いかけても義勇はその胸の内に秘めた事を伝えてはくれない。その心をこじ開けようとしても、乱雑に扉を閉めて鍵をかけてしまう。
「義勇なんか嫌い」
全力嘘。貴方の私への想いも。
──────私の、この言葉も。
お互いの為にならない。こんなの。
本気でそう思った。私も鬼殺隊員だが、それ以前に女だ。
誰かと世帯も持ちたい、そう願うのは必然のこと。
その"誰か"は貴方じゃない。悲しいけれど、きっとそう。すれ違ったままの心で誰かを愛することなんて出来ない。
「義勇、私たち別れましょう」
庭で素振りをする彼に、縁側に座りながら告げると彼はピタリと刀を振るう手を止めた。
ココから余談ですが…、もう、なんなんですかねぇ。無限列車編映画って…。
悲しいけど嬉しいです。アニメより迫力満点でしょうし、耳いっぱいに煉獄さんボイスが…。
大画面で彼の立派な燃える心を見届けたいと思います。
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あろま(プロフ) - 謎の桃さん» コメントありがとうございます!好きと言って頂けて嬉しいです!続編の方も是非ごらんください! (2020年1月5日 17時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
謎の桃 - ぐっ…好きです…(死 (2020年1月3日 11時) (レス) id: 54222cb971 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - あろまさん» 分かりました。大丈夫です。 (2019年11月1日 9時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 零奈さん» リクエストありがとうございます!実弥ですね!実弥らしいお話ですね…!精一杯書きます! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 美桜さん» リクエストありがとうございます!煉獄さんのリクエスト嬉しいです!ですがすみません、夢主が柱という設定を普通の一般隊士にしたいです。ご了承ください…! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あろま | 作成日時:2019年9月25日 17時