勿忘草:竈門炭治郎 ページ47
*捏造あり。炭治郎が日柱になっています。
失っても、失っても。
──────生きていくしかない。
そんな呪いの言葉をまた乱暴に突きつけられたのは、今から3年前だった。
滅多に休みを取らず、夜な夜な鬼を狩り、非番のときには後輩指導に当たる日柱様は、いつもこの時期、この今日という日になると何処かへ行ってしまう。
尊敬し、目標とする日柱様を突き動かすものはなんなのか、私は日柱様をよく知る人物に話を聞いた。
「え、俺に話しかけてくれるなんて嬉しいなぁ!継子になる気になったのかな!?
…あ、炭治郎のこと?
…うん、そっか。そうだよね、気になるに決まってるよね
聞いたらきっと答えてくれるよ、炭治郎は嘘つかないからさ」
「あぁ!?炭治郎!?
彼奴がどこに行ってるのかは知らねぇが、目的なら知ってるぞ!
その目的はなんだ?なんで俺様が教えなくちゃなんねぇんだ!!」
「炭治郎がどこへ出掛けているか?…そうだな、俺から話す訳には行かない。
自分の目で見て確かめてみる良い」
三者三様の意見を聞き、私は実際自分の目で確かめて、その上で確かめようと思った。
気配を殺して罪悪感を覚えながら日柱様の後を追う。
どんどん街から外れた方へ進む背中を見失わないように歩く。歩いて歩いて、辿り着いたのは開けた丘の上だった。
大きな桜の木の下に立派な墓石が立っている。その前にしゃがみ込む日柱様にそうっと近づくと突然に振り向いた赤い瞳が私を見つめた。
「やっぱり君か」
「あ…っ、ひ、日柱様…」
「俺の後をずっと着いてきていたね。匂いで分かっていたよ」
日柱様の言葉に心臓が跳ねた。足音を消すなんて阿呆な事だった。音が無くても鼻の利く日柱様には全てお見通しだったというのに。
怒る素振りもせずに日柱様はくすりと笑うと「おいで」と手招きをした。
恐る恐る近づくと、墓石の前には一枚のモノクロ写真が飾られていた。写真に映るのは若き日の日柱様と──────その隣には見たことの無い、隊服の女性。
「日柱様、この方は…」
持っていた花束をその墓石の前に供えると、彼は青い空を見上げた。
「──────そうだな。うん、どこから話そうか」
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あろま(プロフ) - 謎の桃さん» コメントありがとうございます!好きと言って頂けて嬉しいです!続編の方も是非ごらんください! (2020年1月5日 17時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
謎の桃 - ぐっ…好きです…(死 (2020年1月3日 11時) (レス) id: 54222cb971 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - あろまさん» 分かりました。大丈夫です。 (2019年11月1日 9時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 零奈さん» リクエストありがとうございます!実弥ですね!実弥らしいお話ですね…!精一杯書きます! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 美桜さん» リクエストありがとうございます!煉獄さんのリクエスト嬉しいです!ですがすみません、夢主が柱という設定を普通の一般隊士にしたいです。ご了承ください…! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あろま | 作成日時:2019年9月25日 17時