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その2、3日も経たないうちに護衛係が交代した。何でも榊が義勇の部下から霞柱の部下へと異動になったらしい。
「…榊さん、最後に挨拶くらいしたかったわ」
突然に異動になってしまった事に動揺が隠せない。残念だわ、と呟く私の横に腰掛けると義勇はそうだなと言いながら私を慰めるように肩に手を置いた。そっと体重を掛けるも、彼は何も言わずに受け止めてくれる。
「今度は女隊員だ。お前と話が合うと思ってな」
「そうなのね…、どんな人なのかしら」
お友達になれるかしらと、顎に手を当てる私に「絵画が好きだと言っていたぞ」と義勇が教えてくれる。
「まぁ、絵画…。非番の日にぜひお誘いしてみたいです」
「あぁ、それがいい」
うふふ、とAが顔を上げると義勇は柔らかな微笑でAを見つめ返す。
いたわるように背中を優しい手つきで撫でる義勇の手は温かい。思わず背中に腕を回して抱き締めると、義勇も答えるように抱きしめた。
「…義勇様、義勇様、私幸せですわ
こんなに貴方様に愛されていますもの」
矢張り何時になっても想いを素直に伝えるのは気はずかしいものだ。頬に熱が集まるのを感じながら羽織に顔を埋めると義勇も腕を回して抱き締める。
「俺も…、Aを妻に出来て幸福だ」
珍しいれっきとした愛の言葉に心臓がとくとくといつもより早く波打つ。
優しい匂いのする羽織に顔を埋めると、どくどく、自分よりずっと早い鼓動を耳にする。
──────どっ、どっ、どっ、どっ。
異常な程早い鼓動の音を、Aはいつまでも、いつまでも聞いていた。
大岩桐草:華やかな日々、愛の喜び
ここからは本編の補足(ヤンデレ嫌いな人はおすすめしません)
お察しの方いると思いますが、本編の義勇さんは病んでます。
自分が幸せにする自信がないので、近所の人々に「貴女愛されて幸せねぇ」と言うように頼んでいます。
そうすることで無意識的に「私は義勇様に愛されて幸せだわ」と思い込ませているのです。
そして異常なほど過保護で、昼間に護衛を付けています。それが榊という部下でしたが、Aさんの事が好いていました。
前から薄々気づいていた義勇でしたが、今回Aさんとのやりとりを見て交代を決意したようだす。
夜は屋敷に藤の花が咲いているので安心ですが、矢張り護衛を付けています。ちゃんと女性です。
…こんなところでしょうか。いやぁ、それにしても病んでますね!
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あろま(プロフ) - 謎の桃さん» コメントありがとうございます!好きと言って頂けて嬉しいです!続編の方も是非ごらんください! (2020年1月5日 17時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
謎の桃 - ぐっ…好きです…(死 (2020年1月3日 11時) (レス) id: 54222cb971 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - あろまさん» 分かりました。大丈夫です。 (2019年11月1日 9時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 零奈さん» リクエストありがとうございます!実弥ですね!実弥らしいお話ですね…!精一杯書きます! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 美桜さん» リクエストありがとうございます!煉獄さんのリクエスト嬉しいです!ですがすみません、夢主が柱という設定を普通の一般隊士にしたいです。ご了承ください…! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あろま | 作成日時:2019年9月25日 17時