ホークスハウス ページ6
ひとまず、無一文だった私はホークスの自宅へ連れられた。
マスコミ報道を避けてホークスは空を飛んで向かい、私はタクシーで向かった。
遥か空の上まで届きそうな程高さのあるマンションを見上げつつセキュリティを通って最上階へと進む。
元の彼氏と同棲していたマンションは市内の中で上の下程のランクだったが、目の前のマンションはまさに上の上だ。
以前ホークスの自宅が特番で取り上げられていたが、そのとき床が大理石だとかなんとか…という事を見たような聞いたような。
そんな縁のない高級様相を想像するとぶるり、身震いがした。
音を立てずに最上階へ辿り着いた私であったが、目の前に現れた扉が一つであることに驚かされる──────が、この最上階フロア1面がホークスの自宅だということを思い出した。流石NO.2ヒーロー、と半ば信じられずにぽんやりと立ち尽くす。
散々『初対面の男の人の家に上がるなんて！』と逆上せていた私に『お金あるの？』と飄々とした笑顔のホークスの言葉に一気に意識が現実へと引き戻される。
諭吉1枚どころか野口1枚も入ってない寂しすぎるお財布を目の当たりにして「……うわ」と口角を引き攣らせていたホークスに何も言えなかった。
こうしてお金も身寄りもない私は、ホークスの家へと止まる他無かったという訳だ。
あーだこうだとダラダラとしたやり取りを思い返していると、玄関からホークスが「どうぞー」と顔を出した。
もう私服へと着替えたのか、灰色のVネックを見に纏ったホークスは、玄関から最も近い部屋の扉を開けると「ここ使って」
覗くとテーブルやソファ、ベッドやタンスなどある程度の家具が揃っていた。どこかふんわりとしたいい匂いに混じって、掃除をしていないのだろうか、埃っぽい匂いがする。
「客間。ちょい汚れてるけど取り敢えず」
「…あ、ありがとう」
なんだか顔を合わせられなくて頭を下げると「いーえ。そんな固くならなくても」と扉を押さえながらホークスはくつくつと笑う。
「んじゃごゆっくり」
ヒラヒラと手を振って部屋を出ていこうとするホークスだったが、何か思い出したように「あ」と声を漏らして覗き込んだ。
「俺連絡入ったら仕事行くんだけど、もし朝いなかったら好きにキッチンとか使っていいし、出掛けてもいいから」
はい、合鍵。とホークスが剛翼で鍵を運んだ。慌てて掌で受け取ると「慌てすぎ」と目を細めてパタン、扉が閉まった。
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花帆 - 一気に読ませて頂きました！お互い一途な夢主さんとホークスにずっとドキドキして面白かったです！！ チャートも面白かったです♪ 続編も楽しみにしております(*´ω｀*) (2020年4月26日 4時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈩さん» コメントありがとうございます！いえ、私こそ遅くなってすみません…！そんな細かいところまで褒めて頂けて光栄です…！こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈩 - 完結＆続編おめでとうございます！(遅れてすみません…)文章や、単語一句一句にドキドキしてしまいました…！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年3月11日 0時) (レス) id: 4f2f6e9221 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - くろかはさん» コメントありがとうございます！私自身実は夢主の個性気に入ってます(笑)浮き沈みするの可愛いですよね！とてもコメント嬉しかったです！ (2020年3月10日 15時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 主人公の個性がなんとも言えず可愛らしい…(すき) (2020年3月4日 20時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年10月22日 15時
