お星様 ページ21
ホークスと謎の同居を初めてから約三週間が経った。すっかり外の冷え込みも深まり、季節は秋と冬の間を彷徨っている。
11月も下旬に入るという事で世間はいよいよクリスマスモードに入り何処か街全体がふわふわしている。コンビニやスーパーに行けばクリスマスケーキのポスターが目に入り、往く先々でサンタのオブジェやらツリーやらを目にするようになった。
今やヒーローは人を助けるだけが仕事では無い。シーズンに合わせて行動する事も必要だ。
という事で、私はホークス事務所のツリーの飾り付けを行っていた。
このジンジャーブレッドはこっちがいい、ベルはこっちに飾ろう、と着々と飾り付けを進めて残りは天辺のお星様のみ。
椅子を使って背伸びをしても届かなくてどうしたものかと思案していると、事務所のドアが開いた。
サイドキックさんたちかと思って振り向けば、いつも窓から戻ってくるホークスが「やってるねー」と片手をヒラヒラさせながら入ってきた。思わず彼の翼を見ると羽が大分少なくなっている。
私の凝視に察したホークスは自身の背中を振り向いて見ながら「あー」と口を開く。
「羽ね。今日任務で大分飛ばしたから飛べなくてさ。タクシーで戻ってきたんだよ」
疲れたーと伸びをしながらソファに雪崩込むかと思えばホークスは私の近くにやって来て手元のお星様とツリーを見比べる。
「あと星だけか。綺麗に飾り付けしたね」
「…！でしょでしょ、私頑張ったんだよ！」
純粋に飾り付けを褒められた事が嬉しくて宙にふわりと浮きながら笑うとホークスは目を丸くしてから「…子供みたい」と堪えきれずに吹き出した。
そんな反応に恥ずかしくなって途端に体重が重くなる。徐々に沈み始めた私を見上げてホークスは目を細めて笑った。
「でも、そういう所が可愛いと思うけど、俺は」
「…へっ」
いつもより低い囁き、目を細めた微笑みに心臓がきゅっと縮む。
優しい微笑みなのに、優しい分だけ、その分だけ、私の心臓をゆらゆらと揺らしてしまう。その分だけ頬を熱くさせる。優しいのに意地悪だ、心臓が煩くて仕方ない。
一気に浮き上がってしまうと、天井にとん、と背中がぶつかる。あれだけ上にあったツリーの天辺の上まで来て、ふるふる震える手でお星様を付けた。
「今ので浮いちゃうなんて、素直だねAは」
なんて愉快そうに言われて、落ちるときにホークスの頭に軽く手刀を食らわせてやった。
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花帆 - 一気に読ませて頂きました！お互い一途な夢主さんとホークスにずっとドキドキして面白かったです！！ チャートも面白かったです♪ 続編も楽しみにしております(*´ω｀*) (2020年4月26日 4時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈩さん» コメントありがとうございます！いえ、私こそ遅くなってすみません…！そんな細かいところまで褒めて頂けて光栄です…！こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈩 - 完結＆続編おめでとうございます！(遅れてすみません…)文章や、単語一句一句にドキドキしてしまいました…！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年3月11日 0時) (レス) id: 4f2f6e9221 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - くろかはさん» コメントありがとうございます！私自身実は夢主の個性気に入ってます(笑)浮き沈みするの可愛いですよね！とてもコメント嬉しかったです！ (2020年3月10日 15時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 主人公の個性がなんとも言えず可愛らしい…(すき) (2020年3月4日 20時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年10月22日 15時
