ホークス分析 ページ15
「じゅうはち…」
事務所で呟いているとサイドキックさんが「なんの数ですか？」と顔を覗き込んできた。
「曰く、ホークスの元カノの数だそうですよ」
「あー…、あの人の事だからそれぐらいいたかもしれませんね」
"一応"私と彼が同棲をしているということを知っているサイドキックさんは頬を掻いた。眉は八の字になっていてすっかり困った顔だ。
「あ、私全く傷ついてないので大丈夫ですよ。どんな女の人達だったんですか？」
「えぇ…、ううん…そうですね…。Aさんみたいなタイプは初めてですよ。素直で家庭的なタイプの人は。
今まではどこかの社長の娘だったり、有名大学の女子学生だったり。
一方的に彼女の方が好きっていう感じで、ホークスはそれを上手くやり過ごしてたって感じです」
「ほほう…」
顎に手を当ててふむふむ、と頭を悩ませる。表面上しか知らないホークスの事を知りたくて、分かりたいのだ。
「なんか俺の私的な意見ですけど、ホークス今生き生きとしてますよ。
なんだかAさんと話してる時が…なんていうか、無邪気というか、素というか」
軽やかな笑みを浮かべるサイドキックさんの言葉が嬉しくて、身体がふわり、浮いてしまう。「おぉ」と愉快そうに顔を上げるサイドキックさんに慌ててスカートを抑えた。
「えっ、それは勘違いですよ！そんな風にホークスが思ってるわけ…」
「そんな事ないですよ！あんなに揶揄ったりするのは心許してるからだと思うんですよね〜」
サイドキックさんの言葉にどんどん身体が浮いていく。ついに子供の手から離れた風船のように、私は天井にぶつかってしまった。
「嬉しいんですね！」
「やぁあ〜」
あまりの羞恥に達磨のように丸くなる。
もし彼の言葉通りホークスが気を許しているとしたら？うん、悪い気は全くしない。あのホークスの気まぐれな態度が好意的に思えてしまう。
そのままぷかぷか浮いていると窓からホークスが帰ってきた。
「ただいまー」
「お疲れ様です」
当の本人が帰ってきて思わず頬が熱くなってしまう。やだ私。全部決まった事じゃないのに。こういう所が屹度重いんだろうな。
そう思うのに舞い上がってしまって仕方がない。そんな私にサイドキックさんは「Aさん赤くなってますよ」とケラケラ笑った。
「へぇ、楽しそうだね」
──────そんな二人の様子に、ほんの少しだけホークスが眉を動かしたことを、私はまだ知らない。
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花帆 - 一気に読ませて頂きました！お互い一途な夢主さんとホークスにずっとドキドキして面白かったです！！ チャートも面白かったです♪ 続編も楽しみにしております(*´ω｀*) (2020年4月26日 4時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈩さん» コメントありがとうございます！いえ、私こそ遅くなってすみません…！そんな細かいところまで褒めて頂けて光栄です…！こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈩 - 完結＆続編おめでとうございます！(遅れてすみません…)文章や、単語一句一句にドキドキしてしまいました…！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年3月11日 0時) (レス) id: 4f2f6e9221 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - くろかはさん» コメントありがとうございます！私自身実は夢主の個性気に入ってます(笑)浮き沈みするの可愛いですよね！とてもコメント嬉しかったです！ (2020年3月10日 15時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 主人公の個性がなんとも言えず可愛らしい…(すき) (2020年3月4日 20時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年10月22日 15時
