平々凡々 ページ13
同棲を始めて暫く。ホークスという男が改めてNO.2ヒーローだということを自覚する。
彼は毎日忙しいの一言に尽き、3日に1度はこのマンションには帰ってこずに事務所に寝泊まりしている。
仕事だけでなく、連絡も早い様で、帰れない時は直ぐに連絡をくれるからそれは有難い。
"付き合う""同棲"と言いつつ、特に私たちの間にそういった睦み事は何もなく、それまで以上に平々凡々な暮らしを謳歌していた。
「あ、Aさんお疲れ様です」
ガチャ、とドアの閉会音と共に事務所のサイドキックさんが帰ってくる。疲れたーとソファになだれ込むサイドキックたちに珈琲と紅茶を差し出す。
「皆さんもお疲れ様です、どうぞ飲んでください」
有難いですーと嬉しそうに笑う皆さんに自然と口角が上がる。一人ふぅ、と息を吐くツクヨミくんにアップルティーを差し出した。
「お疲れ様、ツクヨミくん」
「…感謝致します」
律儀に頭を軽く下げるツクヨミくんにふふ、と笑うとサイドキックたちが安堵のため息をつく。
「いやぁ、本当にAさんが来てくれて有難いですよ」
──────そう、私は現在このホークス事務所で働いているのだ。というのも、仕事…と言っていいのか分からないが、悪くいえば雑用、よく言えばヒーローのサポートである。
ホークス曰く「誰か雇いたかったから丁度いいや」だそうで。
その当本人は今ファンサービスに答えているとのこと。これは30分は戻ってこないだろう。
「皆さん小腹が空きませんか？お握り作ったんですけど、食べます？」
「食べます！」
わいわいと、私の作った軽食を食べてくれる姿は本当に嬉しい。今までずっと、誰かの役に立てている自信なんて無かったから。
──────お握りを頬張る皆さんの姿をそんな気持ちで眺めていた。
卵をカシャカシャとかき混ぜているとベランダのドアが開いて冷たい風が一気に入ってくる。
「ただいまー」と伸びをしながら部屋へと入ってくるなりホークスは隣に並んでひょいと手元に目を向ける。
「おかえり、お疲れ様」
「ん、今日のご飯なに？」
「オムライスだよ」
「オムライスか、やった」年相応の笑顔を浮かべるとホークスは足早にお風呂場へ向かった。それまでに食べられるようにしておこう、と卵を焼いていてる間にテーブルをサッと拭いた。
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花帆 - 一気に読ませて頂きました！お互い一途な夢主さんとホークスにずっとドキドキして面白かったです！！ チャートも面白かったです♪ 続編も楽しみにしております(*´ω｀*) (2020年4月26日 4時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈩さん» コメントありがとうございます！いえ、私こそ遅くなってすみません…！そんな細かいところまで褒めて頂けて光栄です…！こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈩 - 完結＆続編おめでとうございます！(遅れてすみません…)文章や、単語一句一句にドキドキしてしまいました…！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年3月11日 0時) (レス) id: 4f2f6e9221 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - くろかはさん» コメントありがとうございます！私自身実は夢主の個性気に入ってます(笑)浮き沈みするの可愛いですよね！とてもコメント嬉しかったです！ (2020年3月10日 15時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 主人公の個性がなんとも言えず可愛らしい…(すき) (2020年3月4日 20時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年10月22日 15時
