2人揃っておはよう ページ11
すぅすぅと寝息をたてる彼女は全く起きる気配がない。
(寝落ちしちゃったのか)
取り敢えず彼女を置いて、匂いの元を辿る──────と、いつもは寂しい大きなテーブルに唐揚げが綺麗に更に盛り付けてあった。さらには買っておいた惣菜がきちんと小分けにされている。
きちんと2つ分の茶碗と箸も揃えてあって、俺は目を丸くした。更に、周りを見れば汚かった床が1面綺麗になってる。
そして俺は察した──────彼女は掃除をして、ご飯を作って待っていたのだということに。
(で、待ってたものの、眠くなって寝落ちした、ってところか)
ふ、と不意に口元が緩んだ。彼女が重たいと言われる所以が少しだけわかった。
「でも、俺は嫌じゃないな、こういうの」
胸に暖かなものを感じて、気づけばそう呟いていた。まるで仄かに灯る蝋燭の暖かさに触れたような気分だ。
「ほんと、君に賭けてみようかな」
カーテンの隙間からさす陽の光に目を覚ます。「うぅん…」と重たい瞼を開けると、また見慣れない天井。
「あ、そうだ…」
まだぼうっとする頭で起きてカーテンをシャッと開ける。直接朝日を見て目を萎めていたが、やっと覚醒した頭は違和感を覚え始めた。
「あれ、私なんで…ソファで確か寝ちゃった筈なのに」
そんなことを考えていると「失礼、起きてるー？」とホークスの声がドア越しに聞こえた。
「えっ」と声を上げるなりガチャりとドアを開けてホークスは飄々とした笑顔を向ける。
「おはよ、よく眠れた？」
「ほ、ホークス…、おはよう」
目をぱちくりさせる私に「今日は朝遅いからさ、一緒にご飯食べようよ」
「せっかく作ったくれた"唐揚げ"」
ホークスのそんな誘いに、心がふわっと軽くなる。瞬間、ほんの５センチ程身体が浮いてしまった。
手早く顔を洗って、服に着替え、席に着いたころには唐揚げが温め直してあった。
「あ、何飲む？珈琲？」
「私、珈琲無理だからお茶で」
「へぇ子供舌だね」
「むっ…、一言多い！」
インスタント珈琲にお湯を注ぎながらホークスはけらけら笑う。全くここまで軽口を叩くのが得意だと一周まわって少し羨ましくなってしまう。
その間にご飯をよそって、ようやく2人揃って席に着いた。
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花帆 - 一気に読ませて頂きました！お互い一途な夢主さんとホークスにずっとドキドキして面白かったです！！ チャートも面白かったです♪ 続編も楽しみにしております(*´ω｀*) (2020年4月26日 4時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈩さん» コメントありがとうございます！いえ、私こそ遅くなってすみません…！そんな細かいところまで褒めて頂けて光栄です…！こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2020年3月28日 23時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈩 - 完結＆続編おめでとうございます！(遅れてすみません…)文章や、単語一句一句にドキドキしてしまいました…！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年3月11日 0時) (レス) id: 4f2f6e9221 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - くろかはさん» コメントありがとうございます！私自身実は夢主の個性気に入ってます(笑)浮き沈みするの可愛いですよね！とてもコメント嬉しかったです！ (2020年3月10日 15時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 主人公の個性がなんとも言えず可愛らしい…(すき) (2020年3月4日 20時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年10月22日 15時
