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そうだ。いつだってお前は遅すぎるんだ、相澤消太。
なのに──────。
なのにお前は、遅すぎる男の、遅すぎる告白を聞いて、涙を零すような奴なんだ。
「…ぅ、…あ」
声とも言えない呟きを漏らしながら、水瀬は顔を覆う。
それが何を表しているのか、もう俺はとっくに知っていた。
「…悪い、遅くなって」
「…私っ、私、ずっと、ずっと前から、相澤くんのこと…っ」
あぁ、ずっと抱きしめたかったんだ。
ふわり、壊さないように、腕で彼女を包み込むと、それより強い力で水瀬は腕を回して顔を寄せた。
「本当に悪い」
「いいの、私だって言えなかった。私だって…。でも、嫌われてるかと思ってた…っ」
う、う、と嗚咽を漏らす水瀬をせめてもの償いで更に強く抱きしめて背中をそっと摩る。
俺より何倍も小さくて、柔らかな身体。
ずっと触れる日を願っていた。
「水瀬……」
切なくなって、どうしようもなくなって名前を呼ぶと、水瀬が泣き腫らした目を向けて見上げる。
「みょうじ、いや」
嗚咽混じりの舌っ足らずな言葉が可愛らしくて、そのムスッとした顔も──────やっと本当の水瀬を見れた様な気がした。
「悪かったよ──────A」
そうなるべく出せる精一杯の優しい声で囁くと、Aは嬉しそうに目を細めて俺の身体に寄り添った──────。
「…なんてこともあったな」
懐かしい昔を思い出しながらボソリと呟くと、後ろから柔い身体が抱きついてきた。
「しょーた、ご飯出来てますよ？」
後ろでニっ、と笑うのはA。あれからすぐに交際と同居を始めてちょうど2年経った。
「あぁ、わかった」
よっ、と立ち上がると膝の上にいた愛猫が「にゃあ」と鳴きながら去って行く。
「冷めちゃうよ」なんて席に着くAをじっと見つめる。交際と同居を始めて、いい面も悪い面もお互い見つけた。
それでも、それでも「ずっと傍にいたい」と心から願えるほど尊敬出来て、愛おしいと思うんだ。
「なぁ」
「ん、なぁに？」
いただきます、と手を合わせるAに口を開く。
「そろそろ籍入れるか」
──────この後、酷く笑われた後に「プロポーズやり直しの令」が出されたのは、結婚した今でも俺の赤っ恥だ。
ツユクサ：尊敬、懐かしい関係、密かな恋
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あろま(プロフ) - オーバーさん» こちらこそリクエストありがとうございました！お気に召して頂けて光栄です！期待させてしまってすみませんでした…。楽しみにしてらっしゃいましたよね…。なんて優しいんですか…！感謝感激です！頑張ります！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - リクありがとうございます！とても良かったです(´ω`*) ホークスの新作の件は残念でしたが、あろまさんの書く小説が大好きなので、大丈夫です(`ω´)b 執筆お疲れ様でした！！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» お久しぶりです、オーバーさん！弔くんのお話好きですか…！？嬉しい限りです！鬼滅の方も読んでくださって感激です…！これからも頑張ります！ (2019年9月21日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - お久しぶりです、あろまさん！ 死柄木くんのお話好きです(´艸`) 鬼滅も楽しく読んでます(´ω`*) 更新ファイトです！！ (2019年9月21日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» リクエストありがとうございます！そうなんです！ついにホークスの新作を書きます！ずっと書きたかったお話なので自分でも楽しみです(笑)アネモネいつか書こうと思っていたので嬉しいです！了解です、荼毘ですね！いつもコメント感謝です！全力で書きます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年7月1日 22時
