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──────ということがあり、俺と水瀬ははっきりいって気まずい関係にあるのだ。
(あのとき俺は、お前になんて言えば良かった？)
何度何度、自分に問い掛けても、帰ってくるのは無。思い出すのは水色の瞳から静かに零れた彼女の雫。
今日も今日とてそんな事を考えていると、目の前にこんもりと摘みの盛られた皿。
顔をあげればサッとAの白い手が引いた。
「勝手にごめん。でも相澤くんちゃんと食べてなさそうだから」
そのときに見えた左手──────白い指先にきらりと光る指輪は無かった。
(…結婚も、婚約もしてない、のか…)
その事実に酷く安堵して人知れず息を吐いた。まるで取り残されたように俺と水瀬の周りだけ静まり返っている。
「……相澤くん、…その、傷は大丈夫なの？」
心底言い出しずらそうに口を開いた水瀬の言葉に一瞬目を見張る。それから彼女の視線が俺の顔──────正確には目の下に向いているのを感じて「あぁ」と呟く。
「大丈夫だ、もうなんともないんでな」
彼女が指したのはもう消えない目の下の傷──────正確にはUSJ事件での負傷だ。
大きく新聞にもニュースにも取り上げられていたから心配したのだろう。
「ずっと気がかりで…、良かった。なんともなくて」
あまりにも緩んだ微笑みを見せるから、安堵したような声を出すから。
「…なんでそんなに気にしてたんだ？」
試すような言葉がポロリと漏れる。自分は相手に一切好意を見せないくせに、相手の心を掻き乱して隙を作ろうとする俺はなんて狡い男だろうか。
俺のそんな言葉に水瀬は明らかに動揺して目を泳がせる。
「え、あ」なんて声にならない声を発して、指先を小さく動かして。
そして下を俯いて──────膝の上でぎゅっと自分の手をにぎりしめた。
「…相澤くん、雄英の教師になったでしょ。ずっと凄いなって思ってたの。
私、教わるだけでも大変だったのに、今度は生徒達に教えるなんて、私には出きっこないから」
ふふ、と水色の瞳を細めて微笑む彼女の声音は驚くほど柔らかかった。
その声に、笑みに聴き入って、魅入っていると、不意に水瀬が顔を上げる。
「それに私、相澤くんが──────」
緊張を孕んだ瞳と目が合う、瞬間──────。
「うわぁああっ！？」
まさに、まさにストライク。
俺と水瀬の目の前に数杯の水が飛び散った。
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あろま(プロフ) - オーバーさん» こちらこそリクエストありがとうございました！お気に召して頂けて光栄です！期待させてしまってすみませんでした…。楽しみにしてらっしゃいましたよね…。なんて優しいんですか…！感謝感激です！頑張ります！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - リクありがとうございます！とても良かったです(´ω`*) ホークスの新作の件は残念でしたが、あろまさんの書く小説が大好きなので、大丈夫です(`ω´)b 執筆お疲れ様でした！！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» お久しぶりです、オーバーさん！弔くんのお話好きですか…！？嬉しい限りです！鬼滅の方も読んでくださって感激です…！これからも頑張ります！ (2019年9月21日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - お久しぶりです、あろまさん！ 死柄木くんのお話好きです(´艸`) 鬼滅も楽しく読んでます(´ω`*) 更新ファイトです！！ (2019年9月21日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» リクエストありがとうございます！そうなんです！ついにホークスの新作を書きます！ずっと書きたかったお話なので自分でも楽しみです(笑)アネモネいつか書こうと思っていたので嬉しいです！了解です、荼毘ですね！いつもコメント感謝です！全力で書きます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年7月1日 22時
