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「──────え」
ザァ、と私と彼との間をまだ冬の冷たさの残る風が通り抜けた。
風が彼の髪の毛と紅い羽根をゆらゆらと揺らす中、彼の瞳は揺らがずにじっと此方を見つめていた。
「え、ぁ、嘘」
「…あ、良かった。覚えてた？」
飄々とした微笑みじゃなくて。彼は目元をきゅっと細めてはにかんだ。
「ひさしかぶり、A」
──────あぁ、全く。此奴は。
じんわりと今までずっと溜め込んでいた感情がぐんぐんと逆流して喉に押し寄せる。目尻が熱くなる。呼吸が苦しくなる。
ぐす、えぐ、と涙と共に嗚咽が漏れて、咄嗟に顔を覆う私の背中にゆっくりと腕を回して。ホークスは軽く抱擁をしながら「よしよし」と優しい手つきで背中をとんとんとする。
「ごめん、最初っから分かってたけど、忘れられてたらどうしようって不安が先走って聞けなかった」
「うっ…、忘れるわけ、ない。ずっと会えるの楽しみに、待ってた、んだから…っ」
うぅぁあ、う、と喉が震えて言いたい事もまともに出てこない。そんな私の台詞に一瞬きょとんとすると、それから困ったように眉を下げて笑った。
「俺も、ずっと会えるの楽しみにしてた」
近くの公園のベンチに座って、他愛もない会話をしているとホークスが「…ほんと、Aは従順だよね」
ホークスの台詞の裏側の理由。考える素振りを見せる度に、自然と頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
「え、なんの話？」
「あ、だって俺の羽根ずっと持って──────」
ホークスはそこでハッと口を閉じて、「あー…」と無理やり苦い笑みを貼り付けた。
「なんでずっと持ってるって知ってるの？」
問うと、ホークスはわかりやすく"気まずい"という表情を浮かべた後、ふぅと落ち着かせようと息を吐く。
「いや、ね。俺の個性の剛翼は、空気中の振動や音も拾いますけど」
「──────触れた物の情報も拾うんですよ」
グローブを外した手で前髪をかきあげると、手をそのままに彼は視線をチラリとこちらに向けた。
「別れてから、ずっと掴んだり、触ったりしてたでしょう」
期待するような、でも答えを確信した熱い眼差しを受けて頬が火照っていく。
そう、私は毎日毎日、ホークスの羽根を触ったり、時には胸に抱いて寝たり…
それが剛翼に伝わってことは。
「…っ！？……へ、うぅ…」
「何その声、ばり可愛か」
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あろま(プロフ) - オーバーさん» こちらこそリクエストありがとうございました！お気に召して頂けて光栄です！期待させてしまってすみませんでした…。楽しみにしてらっしゃいましたよね…。なんて優しいんですか…！感謝感激です！頑張ります！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - リクありがとうございます！とても良かったです(´ω`*) ホークスの新作の件は残念でしたが、あろまさんの書く小説が大好きなので、大丈夫です(`ω´)b 執筆お疲れ様でした！！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» お久しぶりです、オーバーさん！弔くんのお話好きですか…！？嬉しい限りです！鬼滅の方も読んでくださって感激です…！これからも頑張ります！ (2019年9月21日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - お久しぶりです、あろまさん！ 死柄木くんのお話好きです(´艸`) 鬼滅も楽しく読んでます(´ω`*) 更新ファイトです！！ (2019年9月21日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» リクエストありがとうございます！そうなんです！ついにホークスの新作を書きます！ずっと書きたかったお話なので自分でも楽しみです(笑)アネモネいつか書こうと思っていたので嬉しいです！了解です、荼毘ですね！いつもコメント感謝です！全力で書きます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年7月1日 22時
