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「ま、待って！」
「待たねぇ、待てねぇ」
まだ涙の引っ込まない私を無理やり横抱きにして、彼は自室へと連れていこうとする。
彼の部屋は広くて、でも部屋中にニトロの甘い匂いがたち込んでいて、これだけで沸騰しそうだった。
そんな私に構わず、爆豪くんはズカズカ歩いて私を寝台に寝かせると、逃がさない、というようにぼふ、と覆いかぶさってきた。
「ね、ねぇ、ちょっと、本当に」
「本当に、なんだよ？」
止めても止めても、彼の手は止まらない。だってもうシャツのボタンがプチプチ片手で外されている。
「心の、準備が…」
確かに、何回もこんな状況を妄想しては1人でドキドキしていたのに、いざそうなると身体の火照りが止まない。
ダメだ、想像するだけで身体が熱くなって、恥ずかしくなってくる。
「俺は準備出来てんだよ。
何回てめぇを頭の中で抱いたと思ってんだ」
なんという爆弾発言。この男・爆心地は発言まで爆破しに掛かってくるのか。
「そ、そんな」
「お前は想像したことねぇのかよ？」
直球な問いかけ、それも掠れた低い囁きに「…っ」と息を呑むと、彼は愉快そうにクツクツと笑う。
「なんだ、あんじゃねぇか、変態」
「なっ…！ば、爆豪くんだって」
ムキになって言い返すと、爆豪くんは優しく額にキスを落とした。
「なぁ…、やっと、やっと実現すんだよ、わかるだろ？」
ずっとAを気遣って我慢してた、と彼の声が頭の中に響いて広がっていく。
もう、胸はとくとくと早鐘のように鳴り、耳はすっかり溶かされていた。
「…よ」
ぼそり、呟く。彼が聞き返すより早く、私は彼の手を握っていた。
「いい、よ…？」
私も、待ってた
そう唇を動かすと、彼は余裕なさげな微笑みを浮かべながら私の髪の毛を撫でる。
「んな事言って、あの日みたいに泣いてもしらねぇぞ」
あの日みたい、それは、爆豪くんと初めてあった日のこと。
「幸せ過ぎて泣いちゃうかも」笑いながらそう言うと、爆豪くんは面食らった顔して
「ばか」そう告げて唇にキスをした──────
グラジオラス：勝利、密会、用心
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あろま(プロフ) - あいねさん» コメント気づきませんでした…！コメント感謝です！何回も読み返して下さるなんて…！この作品も読んで下さって嬉しいです！いつも感謝感激です！ (2019年12月29日 7時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - あろまさんのヒロアカ短編集はどれも最高なんですね、「求めて、求められて」シリーズはもう何回も読み返して全てを読みきった感で居たら………私の馬鹿！！←何でこの作品を見つけてなかったんだ……？見つけた時驚きで数�冂靴佑泙靴拭�← (2019年12月16日 22時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - きりんの木さん» コメントありがとうございます！轟くんはヤンデレになるとあんな感じになると思うんですよね…。応援のお言葉も嬉しいです！これからも頑張ります！ (2019年9月2日 17時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
きりんの木(プロフ) - コメント読みました、凄く嬉しかったです。あろまさんもゾッとしながら書いてたんですね（笑）そうですか…終わっちゃうんですね…寂しいです…。再開の日を心待ちにしています。これからも頑張ってください。かげながら応援しています！ (2019年9月1日 16時) (レス) id: 8f4326a47e (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - きりんの木さん» 沢山お褒め頂き感謝です！リクエスト大変嬉しいのですが、実はこのシリーズを一旦終わりにしようと考えておりまして…。話数が残り少ないので書くのが難しいと思われます…。ごめんなさい…。もしまた再開した時であれば受け付けられます！ご了承くださいませ…！ (2019年9月1日 8時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年6月9日 23時
