たまきと隠れ狼 ページ25
「あのね、たまき…」
布団の中でたまきに寄り添いながら語り出す
「本当に…、嫌いなんて言ってごめんなさい」
思い出すだけで胸が痛んで、最後の謝罪が詰まる
そんな私の背中に手を回し、たまきは「ううん、謝らないで」と優しく撫でて眉を下げる
「俺が────Aにそう言わせるくらい、傷つけて、寂しい思いさせた」
たまきは悔しげに唇を噛むと、「ごめん」とぎゅっと抱き締める
「たまき…」
「Aの本音、聞かせて
俺も────言うから」
あいこだよ、なんて穏やかに微笑むたまき────久しぶりに向けられて気がして、胸が温かくなった
それからお互い、体温を感じながら話した
正直にたまきと過ごす時間が少なくて、寂しかったこと、辛かったこと
そして────そんな思いが積み重なって、ヒーローとしてのたまきを快く応援できなかったこと
たまきは、仕事を優先し過ぎてしまったこと
そして、その理由は────
「…昨夜も言ったけど、俺は温泉旅行以来、Aに…その、余裕が無くなって
本当に自分でいいのかとか、そういう思いからも、Aにあんまり触れないようにしてた
だから無意識に仕事優先にしてたんだと思う
────大切にしたかったからなんだけど、逆に傷つけた」
顔を赤くして恥ずかしそうに語るたまきに、胸がきゅうっとなる
「…そっか、聞けて良かった
ていうか、たまきって意外に」
言葉を続けようとするも、よくよく考えて辞める
「意外になに？」
「えっと…、その肉食系？というか…なんというか…」
余裕がない、なんて全然そんな素振り見せなかったのに
(いっつも、私のこと考えてたってこと？)
すっかり照れてしまっていると、たまきは「…そう、かも」と呟いて、頬に手を添えて
「ずっとAとこうしたかった」
色を含んだ、熱い吐息に目眩がする
昨夜のことが、鮮明に思い出されて────
「かっ、隠れ狼！」
と叫んで私は布団に潜り込んだ
「もう、我慢しないから ────A」
布団の外から、隠れ狼の誘惑
────あぁ、そんな声で囁かないで
────貴方の熱に溶かされてしまう
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こおら(プロフ) - 男ですが1日で全部読んじゃいました…笑 今更コメント残しても遅いかもしれないんですけどどうしても残したくて書いちゃいました。 男なのに珍しいかもですけどすごくドキドキしました…笑 (2021年8月29日 9時) (
レス) id: c29f706d65 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 棒つき飴さん» コメントありがとうございます！神だなんて恐れ多すぎます…！環くんへの愛で執筆しました（笑）読んで下さって嬉しいです！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
棒つき飴 - あなたが神か (2020年1月21日 21時) (レス) id: 75dcb5e175 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 天喰君推し少女なぎさん» コメント気づかなくてごめんなさい！コメントありがとうございます！ファットガムには申し訳ないです…。ファットガムって好きな人が誰かと被ってしまったら引く男だと思うんです…。 (2019年8月14日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
天喰君推し少女なぎ - ファットガム…なんか…悲しいな… (2019年6月9日 0時) (レス) id: c855ae6157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月22日 20時
