環と始まりの口付け ページ23
ピタっと、動きを止めて、環は動揺していた
「A」
「やだ、謝れてもいない、伝えたいことも────」
子供みたいな我儘を、環の背中に押し付けて、必死に彼の体温を掴み取って
「ごめん、なさい
嫌いなんて、思ってない
たまき、たまき、好き…」
うわ言のように繰り返して、抱きしめる力を強くした
(こんなに好きなのに、私は馬鹿だ
大馬鹿野郎だ)
「たまき…っ、すき、好きなの、大好きなの…っ
1人にしないで、まだ怖い…っ」
溢れる想いに息が詰まって、区切り区切りに、本心を伝える
────まだ、先程の恐怖は身体に根付いていて、自然と身体が震える
「たま…」
突然
環は私の腕を離すと、噛み付くように唇を重ねてきた
今までとは違う、激しさを持った────でも、優しい口付け
(優しくしたいのに、出来ない)
触れる唇から、吐息から、そんな環の相反する思いが、唇を通して伝わってくる
唇が離れて、ふらついた身体を、環の腕を掴んで支え直す
「環、お願い、私に触れて」
強請るように見上げると、環はその瞬間────以前に見せた様な表情を浮かべた
獣のような、熱情を瞳の奥に灯して
荒い呼吸を繰り返しながら、余裕のない声で吐き出す
「…今まで、ずっと自信のなさとか、自分の勝手な感情で、Aを無意識に遠ざけて、傷つけた
温泉旅行のときから、Aに対して余裕が無くなって、自制が、効かなそうで────
────でも、もう」
環は息を吐くと、低く、甘く、囁くように
「遠慮も、躊躇いも、しない」
「触れたくて、仕方なかった」
上手く出来るかわからないけど、触れたいからと、環は私の頬に手を添え、顔を寄せて────
「Aの全部、俺に頂戴」
熱い掌と囁きに、頭がぐらり、ゆらり、揺れる
そうして二人、夜の始まりの口付けを交わした────────
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こおら(プロフ) - 男ですが1日で全部読んじゃいました…笑 今更コメント残しても遅いかもしれないんですけどどうしても残したくて書いちゃいました。 男なのに珍しいかもですけどすごくドキドキしました…笑 (2021年8月29日 9時) (
レス) id: c29f706d65 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 棒つき飴さん» コメントありがとうございます！神だなんて恐れ多すぎます…！環くんへの愛で執筆しました（笑）読んで下さって嬉しいです！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
棒つき飴 - あなたが神か (2020年1月21日 21時) (レス) id: 75dcb5e175 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 天喰君推し少女なぎさん» コメント気づかなくてごめんなさい！コメントありがとうございます！ファットガムには申し訳ないです…。ファットガムって好きな人が誰かと被ってしまったら引く男だと思うんです…。 (2019年8月14日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
天喰君推し少女なぎ - ファットガム…なんか…悲しいな… (2019年6月9日 0時) (レス) id: c855ae6157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月22日 20時
