７話 ページ9
※少し書き方変わります
ーーーーーー
『どこだ…ここ…』
(あの後、すぐに眠りについた筈だ。)
そう思うと、尚更混乱してきた。
『…え…』
朔夜の目に映った景色は、
―――――――どうしようもなく澄んだ、雲一つ無い青空だった。
そんな青空の下で、沢山笑って遊んでいる子供が沢山。
『あれは………俺だ…』
その中の一人に、眩しい笑顔で笑う自分がいた。
「お母さん！」
その“もう一人の自分”は、お母さんと呼ばれた女性の元へ走っていく。
『…いいなぁ…』
自分は、暴力を沢山振られた挙げ句に孤児院の前に捨てられた。
普通は当たり前の事なのに、捨てられたが故にふれあう事などしなかった。
“もう一人の自分”が笑顔で目一杯遊んでいるのを見て、
『…寂しい』
俯いて、切ない声でそう呟いた。
「……ゃ、…くや、…朔夜！！」
「…ん…？」
亜理彩が朔夜を起こす。それはいつもと変わらない。だが、何故か全員揃って朔夜の顔を覗きこんでいた。
(え…何この状況…)
朔夜だけがこの状況に混乱していた。
「朔夜がビックリするほど切ない声で“寂しい”なんて言うから何事かと思ったら、」
―――――――寝ながら泣いてたよ
そう言われて、朔夜は初めて自分が涙を流していることに気がついた。
「え…俺…」
自覚すれば更に涙は溢れる。
「泣いて…何で…」
途切れ途切れ発する言葉も、誰からも分かるくらいに震えていた。
「…なんか夢でも見たのか？」
龍暉が優しく問いかけた。
「…何だろう…もう一人の自分を見てたら、寂しくなった…」
断片的にでも、少しずつ話す。すると、朔夜の視界は暗くなった。
亜理彩と龍暉に抱きしめられたと気付くには、そう時間はかからなかった。
「え…？」
「寂しいって思うなら、私達がいるでしょ？」
「…俺達がいる、何てカッコいい事とか言えねえけど、少しくらい甘えろ」
亜理彩も龍暉も、自分の精一杯の本心をぶつけた。
「…ありがとう…」
安心した声で呟いた感謝の言葉は、確かに全員の耳に届いた。
「見取り図、あった…！」
「「「ホント！？」」」
さっきまでの空気をいい意味で壊してきた雄太。
「流石に孤児院の外の地図は無いけど、施設のならなんとか！」
「…朔夜、どうする？」
「…取り敢えず、孤児院から脱出する作戦をこの地図を見て決めていこう！」
その顔は、リーダーの顔だった。
「「「おう！」」」
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スレイル(プロフ) - 愛花さん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2018年3月21日 10時) (
レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 290386675f (このIDを非表示/違反報告)
スレイル(プロフ) - 白ふくろうさん» コメントありがとうございます！少しずつにはなりますが頑張ります！ (2017年7月31日 13時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
白ふくろう - 続きが気になります！更新、頑張ってください (2017年7月29日 13時) (レス) id: 3b64ecbc9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スレイル | 作者ホームページ：
作成日時：2017年7月7日 15時
