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15話 ページ17

龍暉side


何かに吸い込まれる様に朔夜が意識を失い、代わりに気絶していた亜理彩が起きた。


「……朔夜どうしたの?」

「ちょっとな。無理し過ぎただけだ」


あまり詳しく言ってしまうのは違う気がして、曖昧に伝えた。……筈だったんだが。


「何があったの」

「……、」


射抜く様な視線を俺に向ける亜理彩は、静かに怒っていた。

何に怒っているか……聞けば思いっきりとばっちりを受けるので、しどろもどろに答える。


「まあ……なんだ、“人間じゃない部分”が一瞬暴走したんだ」

「……はあ。朔夜、いい加減にしてよね……」


ため息を吐き、どこか愛しそうに朔夜の頭を撫でる。

まるで元から“人間とは思えない部分”を知っていた様な口振り、仕草。

まさか、俺達にも隠していたのか……?


「……。隠してたなんて人聞きが悪いよ、龍暉。隠してくれって言ったのは、朔夜本人だからね」

「な、口に出てたか?」

「ううん。……察して?」


更に心を読んだ様に答える亜理彩に戸惑う。

話を聞いていた遥が、「ああ」と声を漏らした。


「さては亜理彩、人の心を読めるんだね?」

「当たり」


微笑みながら頷いた亜理彩を見て、遥は少し引き気味に「怖いよ」とだけ言う。

まあ、異常な鋭さも、心が読めるなら納得かもしれない。
「何でそこまで?」というくらいまでに、色んな事を知っていた亜理彩に違和感を覚えなかった俺達も俺達だが。

ふと、侑璃が周囲を見渡す。


「ねえ」

「どうした?」

「誰か来る」


確かに、数人の気配が微かにあった。だが、これにさっきから気付いてたなら、早すぎないか――?

疑問を抱えたまま、朔夜を背負って影に隠れる。


「この辺りにも居る可能性がある。探せ!」


さっき吹っ飛ばされた芹澤だ。立派に指揮を執るその姿は、やはり必死だ。

悔しそうに「早く……!」と呟く芹澤を横目に、少しずつ移動する。




「危なかった……」

「見付からずに済んだのは偶然に近い。早く移動するぞ」


相変わらず眠る朔夜を背負い、足を進めた。

侑璃は周囲に気を張る。気配に気付けるのは侑璃しかいないからな。


「……」

「どうしたんだ雄太。早く行くぞ」

「……ぁ、うん」


どこか悔しそうな表情をしていた雄太には、気付かない振りをした。


……が、間違いだったのかもしれないな。

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スレイル(プロフ) - 愛花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 290386675f (このIDを非表示/違反報告)
スレイル(プロフ) - 白ふくろうさん» コメントありがとうございます!少しずつにはなりますが頑張ります! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
白ふくろう - 続きが気になります!更新、頑張ってください (2017年7月29日 13時) (レス) id: 3b64ecbc9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スレイル | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年7月7日 15時

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