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5話 ページ7

龍暉side

夜になった。


「朔夜、話すんだろ?」

「…ああ。」

「…楽しいような話ではないんだね」


「…まあ…」


侑璃は何を話すのかワクワクしていたようだが、朔夜の様子を見てそうではないと勘づいたようだ。

バツが悪そうに朔夜は目を逸らした。


「早く話してよ…。眠い…」

「遥…!」


遥の言う事はごもっともだ。夜中の1時は普段なら熟睡中の時間だしな。

少しして、朔夜が話し出した。


「……職員がいる部屋って、普段夜中は誰もいないだろ?」

「いないよ。でも見回りの警備員が数人たまにそこで休んでる。」


「侑璃…?何でそんな事知ってんの?」

「朔夜の話まだ終わってないよ?続き聞こうよ」


侑璃と遥がコソコソ話しているのが聞こえる。朔夜には聞こえてないみたいだ。


「…その部屋に電気がついてたから、興味本意で覗いてみたんだ。そしたら…」


朔夜の体が小刻みに震え始めた。この様子だと、恐怖はまだ抜けていないようだ。


「俺が話すか?」

「…いや…大丈夫だ…」


何とか持ち直したようだな。


「職員数人と孤児院の代表してる爺さんが、人身売買の話…してた…」

「「「!!?」」」


全員、驚いた顔をした。


「…何となく知ってはいたけど…ホントだったんだ…」

「俺もそれ思ったわ…」


侑璃と雄太は気付いていたらしい。だが、信じたくなかったようだ。


「嘘でしょ…!?」


どうやら亜理彩は気付いていなかったみたいだ。今この場で話を聞いたメンツの中でも一番驚いている。


「…人身売買なんて、まだこの時代にあったんだ…」


遥は驚いたというより意外だという顔をしていた。


「…知られていないだけで、裏の世界じゃ当たり前のようにやってるぞ」

「そ、そうなんだ…」


俺が呆れた声で指摘すれば、遥は引き気味に納得した。


「引き取られたとか言ってた友達の話がタブーなのって…」

「…売られた可能性が高いな」

「そんな…!」


「…そのダチが消えた年齢が、」


朔夜がまた話始めた。少し俯いている。


「「「?」」」

「…十代の内に皆消えてる」


…子供の方が値がつくのだろう。


「年齢は最低でも4歳で消えた奴がいた。上は15歳だった。」

「…今の時点で俺と朔夜が一番危ないな…」

「に、逃げようよ…!こんな場所にいちゃダメだよ…!」


亜理彩が泣きそうな声で懇願する。


「…そうだな。俺達でここから逃げよう…!」


朔夜がそう決意した。

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スレイル(プロフ) - 愛花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 290386675f (このIDを非表示/違反報告)
スレイル(プロフ) - 白ふくろうさん» コメントありがとうございます!少しずつにはなりますが頑張ります! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
白ふくろう - 続きが気になります!更新、頑張ってください (2017年7月29日 13時) (レス) id: 3b64ecbc9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スレイル | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年7月7日 15時

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