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♯3 ページ3

「えっ、私のですか!?」


あの後、Aちゃんを訪ねて恋愛経験について聞いてみる。
気になったのと単純に世話焼きをしたくて訪ねてみた。

片付けの手伝いをしながらそれとなく聞いたら、冒頭の答えが返ってきた。


「……もしかすると、一切無かったりする?」

「……はい……。ごめんなさい、力になれなくて」


明らかにショボンとしてしまった彼女に軽く謝って、片付けを再開するが、
まだ耳が真っ赤な辺り経験が無いのは本当なのだろう。


「こっちこそゴメンねぇ。変な事聞いて〜。」

「あ、大丈夫です!」





片付けも大方終わった頃、Aちゃんが振り返って「そういえば」と切り出す。


「何で恋愛経験の話なんか……?」

「あ〜……ちょっとねぇ。君、ネットで小説とか読んだりする〜?」


小説を執筆しているのはあまり公にはしておらず、曖昧に濁らせながら聞くと


「読んでますよ!特に、由宇ってユーザーさんの小説が好きです!」

「……え、」


まさか、自分のネットの名前が出てくるとは思わなかった。

更に、俺の作品を好きだとまで言ってくれた。


「……その、由宇ってユーザー、俺だよ……?」

「……えっ!?」


自信過剰だと思われたくないので、小さな声で言うと一拍置いて吃驚された。

まさか目の前の男があんな王道な恋愛物を書いているとは思っていなかったらしい。


「でもまぁ、可愛らしい妄想を皆してるみたいだし、俺としては文字に書き起こすの好きなんだよねぇ。
公開したら色んな人が読んでくれてるから驚いたよ〜」

「凄いじゃないですか! 悠翔さんの綺麗な文章好きです!」


ド直球だなぁ。

オブラートに包む事も無くストレートに好きだと言ってくれるのは心の底から嬉しい。


「照れるなぁ……そんなにドストレートに言わないでよ〜」

「良いじゃないですか! 余計に言葉を増やして、相手に誤解させちゃうよりは。」

「!」


……使えるかも。

恋を裏方から手伝う子の言葉がいまいち思い付かず、唸っていたのだ。


「その言葉、使っていい〜? ちょっと変えるけど。」

「勿論です!」


役立てるなんて嬉しいです……!と言って笑顔になった彼女に数瞬見惚れたが、気を取り直してメモした。

そうだなぁ……。



.




「良いんじゃない? 余計に言葉を増やして、相手に誤解されるよりは。ちゃんと伝えなよ、その気持ち」





.

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設定タグ:フルールメゾンの日常。   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:スレイル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/taf7ht8f781/  
作成日時:2017年11月6日 17時

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