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いやいや、無いでしょ。
「A〜?」
無いよなぁ。うん、ありえない。
「おーい」
さすがにこれは……。
「Aってば!!」
『わっ!?びっくりした!』
ジヨンの声に思わず飛び跳ねた。そうだ、今大学にいるんだ……。
驚いた拍子に乱れた前髪を直す。恥ずかしい。
「もー!どうしたのよ、そんなにボーッとして」
『いや、ちょっと考え事を……』
「ふーーーん」
『……なに、なんでニヤニヤしてるの』
ジヨンはまるで面白いものを見つけたと言わんばかりの顔。
「んー?なんか、恋する乙女みたいなかおしてるなぁって」
『は!?』
恋……恋?私が?
『いや、ないない……』
「えー、せっかくAにも春が来たと思ったのになぁ」
そう言いつつもジヨンはニヤニヤ顔のまま。
あーこれ、完全に勘違いしてるなぁ。
ーーそう、勘違いじゃないと困る。
私みたいな人間が恋をするなんて、ましてやその相手が完璧人間ソンハンビンだなんて。
あってはならない。不釣り合いすぎる。
こんなのバレたら、大学中の可愛い女の子たちから大ブーイングに決まってる。
「まあいいや、次Aも空きコマでしょ?ちょっと早めだけど食堂行こ」
『そうだね。あと1時間もしたら人多くなりそうだし……』
そこで話を聞き出してやる……とジヨンが呟いたのは聞こえなかったことにしよう。
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思ったよりもたくさんの方に読んでもらえて光栄です♡
これからもよろしくお願いします!
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作者名:はる | 作成日時:2023年6月3日 15時