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「先輩、オムライス好きなんですか?」
ちょっと待って
「先輩?」
周りの視線が痛い。
目の前のジヨンも口をあんぐりと開けている。うん、気持ちはすっごく分かるよ……。
「A先輩?大丈夫ですか?」
『あ、は、ハンビンくん……おは、よう……?』
「はは、なんで疑問形なんですか」
吹き出して笑ったハンビンくんは、それはもうキラキラしていて眩しい。
ーーまさか大学で話しかけられるとは思ってなかった。
「僕もオムライスにしようかな」
『う、うん、美味しいよ』
「先輩がそう言うなら食べてみます」
遠くでハンビンくんを呼ぶ声が聞こえた。じゃあ僕行きますね、と爽やかな手を振ってハンビンくんは言ってしまった。
「ちょ、ちょっとA!」
『いや、うん、言いたいことは分かるよジヨナ……』
ハンビンくんが離れた後、案の定ジヨンは興奮状態で話しかけてきた。
「いつの間にあのソンハンビンと仲良くなったの!?」
『ちょっといろいろあって……』
どの道ジヨンには話そうと思っていたから、良い機会だと彼との出会いを話すことにした。
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作者名:はる | 作成日時:2023年6月3日 15時