巡り会うふたり≪TH≫ (ページ10)

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僕達は気まずい沈黙の中
歩いていつもの高台についた

僕達は出会ってから幾度となく
散歩をしているけれど
いつも最後の目的地はこの高台だ

『あのね、ハンソン』

『なぁに？』

『花郎、本当にいいの？』

『Aが反対なら僕はしないよ』

『それはいやだ』

『じゃ、花郎してもいいの？』

『それもいやだ』

『どっちなの～～』

いつかAが僕にそうしたように
僕もAのほっぺたをむにゅむにゅとつまんでやる

『ハンソンのやりたいことを私のせいで
ダメにしちゃうのも嫌だし
ハンソンが離れちゃうのもいやだ
だけどハンソンがやりたいって思ったことは
応援したい』

『A、ありがとう』

『うん。』

それからはいつもどうり
2人でなんてことない話をして

『またね』

『うん、ばいばい』

・
you side
・

家に帰ってひとりでもう一度考えた

ハンソンが花郎を本当にやりたいなら
私がそれを妨げる理由になってはいけない

私とハンソンが出会ってから
ずっと一緒にいるけれど
同年代の男の子と遊びに行く雰囲気もないし
パンリュさんやスホさんの仲間になることもなく
ただ一人で空を見たり私と散歩したり

それがハンソンだから
ハンソンのやりたいことだから
私はそれで良いと思ってるけど

花郎に入ることで
今までと違う新しい何かを
ハンソンが見つけられるなら
それはとってもいいことだ