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「A…」
俺は昨日と同じように
彼女のお墓に花束を手向けた。
「昨日の返事を持って来たよ」
「A、このバラすっごく綺麗じゃない？
俺初めて花を見て感動したよ」
「この花束 バラが36本なんだ。
Aならきっと意味が分かるよね？
…これが俺の気持ちだから。
これはずっと変わらないから」
「だからどうか
…どうかAも俺のことを忘れないで」
大丈夫、もう何も悲しくなんかない
きっとAが俺の心を照らし続けてくれるはず
俺はずっとAを愛し続けるって決めたから。
「A、あんにょん」
昨日よりもスッキリとした心で
彼女に背を向ける。
ふと綺麗に晴れ渡った空を見上げたら
昨日の店員さんの言葉を思い出した。
「貴方に幸福が舞い降りますように…か」
本当に幸せがやってきたよ、店員さん
この幸せを俺は絶対に忘れない
「また来るよ」
そう言って
今度こそ彼女の元を離れ歩き出した。
36本のバラが意味するのは
"覚えています"
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作者名：のら | 作成日時：2017年8月18日 1時
