クロッカスの君へ 2 YG (ページ35)

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かのじょはまた彼に恋をするページ35

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Aside

長い夢だったような、短い現実だったような

そんな暖かくも切ない物語を見た

ふわふわと浮いている感覚の中

最愛の人が私の名前を呼んでいるの

死ぬのがずっと怖かった

彼を独りにするのが、自分が独りになるのが

ずっと、ずっと怖かった

綺麗で汚れを知らない彼を悲しませるのが、怖かった

そう、ずっと思ってたけど

『死って、優しいんだね。』

真っ暗な世界じゃなかった

貴方が私の名前を呼び続けてくれるから

優しいヒカリが私を包み込んでくれている

だから不思議と怖くないの

どんどんと遠ざかる彼の声が、少し寂しいくらいで

何も、怖くない

『ユンギ、貴方は知ってるかな？クロッカスの花言葉。』

小さな小さな可愛らしい花の、切ない花言葉

春の訪れを告げるあの花の意味を

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クロッカスの花言葉は

"貴方を、待っています"

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『またね、ユンギ。』

あの日に渡したクロッカスの花束を

貴方に。

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「あれ、俺らどっかで会ったことある？」

『ううん…名前なんて言うの？』

「俺は、ユンギ。お前は？」

『私は、A。』

「なんか…」
『うん、』

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『「すごく、懐かしい響き。」』

FIN

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