クロッカスの君へ 2 YG (ページ19)

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のぼった星はもう見えないページ19

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『ユンギ、星見に行きたい』

「星？」

『うん…星。よし、星見に行こ！！ほら、立って』

自然に指を絡めて、駅に向かう

夕飯のおにぎりと唐揚げを2人分買って

電車に乗り込んだ

山のふもとに着いた時には、もう10時を回っていて

真っ暗な夜道を歩いていく

『もうすぐかな？』

「もう着く。」

『………わぁ』

「着いたな。」

10時25分

辺り一面を覆い尽くす星達

キラキラ輝いていて、すごく綺麗

『綺麗だね』

「…ん。」

ギュッと強く握り締めれば

彼も同じようにギュッとしてくれた

10時40分

『あ、夏の大三角形だ！すごいね』

「ん。すげぇな。」

チラッとユンギの横顔を見たら、瞳が反射してキラキラと光っていた

やっぱりユンギは星のような人

自らの身を削ってでも光を発する、あの星のような人

「……？なに？」

『ユンギって、星みたい』

「ふっ、なにそれ。褒め言葉？」

『うん、褒め言葉。』

10時50分

至近距離で見つめ合う

キラキラと光るその瞳で見つめられる

「A、あのさ…」

『あ、見て！今の流れ星？！』

「……流れ星？」

『うん！今流れたよ、ほら！』

10時55分

「飽きねぇな…」

『うん、飽きないね。…ねぇユンギ』

「ん？」

『今日は、本当にありがとね』

「…や、こちらこそ」

『楽しめたかな？』

「…………まぁ。」

『なら、よかった…本当によかった。』

10時58分

「…なぁ、A」

『なーに？』

10時59分

「俺らさ…」

『うん』

11時00分

「やり直さねぇ？」

半日が、終わった

さよなら、ユンギ

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