向日葵 2 (ページ1)

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テヒョンside

ジミナが俺の家を出ていって数分。

久しぶりに風邪を引いた

ズキズキと頭が痛くて
肌寒いのに頬がものすごく熱くて
その感覚に小さい頃を思い出す

TH「……」

そう言えば、前に風邪ひいたときは
俺もAも幼かった

何度も
移るから来ちゃ駄目っていってるのに

Aは絶対俺から離れてくれなくて。

そんな遠い昔のことも覚えてる自分を笑ってしまう

何事もいくら拒否しても
俺から離れないAに安心してた

でももう
お互い随分時が経ってる

Aの側にいるには不安が大きすぎる

だからそのために最初から線を置くんだ
ずっと一緒にいられるように

そんなことを考えていると
頬に冷たい感触を感じて
一瞬ドキリとしてしまう

目の前にはAがいて

Aが部屋に入ってきたことに気づかなかった自分に驚いた

TH「…A？」

「さっきジミンさんに会ったよ
オッパが熱だしたから、様子見てちょうだいって」

相変わらず
パクジミンという男は
毎回毎回余計な事をしてくれる

*

*

俺の言葉を無視してキッチンへ向かうA

「寝ててよ」

そう言って何やら料理し始めるAの後ろ姿になんだか胸が締め付けられる

今まで家族のように一緒にいたAが
知らぬ間に、女性らしくなっていって

世話をやいていた自分が
彼女に世話を焼かれているなんて

*

*

何度帰れといっても
Aは駄々をこねるように嫌がったから。

諦めて

寝室に戻るとすぐに眠ってしまった

*

浅い眠りの中
ふと頬にひんやりとした感触が。

熱が吸収されていくのが心地よくて
目を閉じた

本当は側にいてほしかった

何度拒否しても帰らないAに愛しさが込み上げた

素直にAの気持ちを受け止められたら
どんなに楽だろう

こんな自己嫌悪も、
嫉妬の八つ当たりもなくなって

好きっていう気持ちだけで満たされるのに

「お粥つくったよ」

TH「うん」

「本当はご飯食べてないでしょう？
今温めて持ってくるね」

そう言って
立ち上がろうとするAの手を咄嗟に掴んだ

無意識に彼女を引き留めてしまって
急いで言い訳を考えたけど。

「なに、この手」

Aを見ていたら
勝手に口が動いた

TH「もうちょっとだけ、ここにいて」