MY HOUSE

タイプじゃないし ページ5

なぜだか俺は


彼女が振り返る様な気がして


その背中を見送ってた


だけど


彼女は振り返らなかった


そうされると


さっきの視線は気のせいだったのかな？


なんて、考えさせられてしまう


気が付けば


俺は彼女の背中を追って


会場外に出てた


彼女はそのまま


パウダールームに入ってった


んー･･･なんか、追っかけてきちゃったみたいで


カッコ悪いかな


いや。待ってよう


なんて言う？


クラブとかじゃないから


軽く声掛けるのも


ちょっと違うし


彼女の感じ


さっきの、付き人の人？だかに


話してた感じだと


俺にはちょっと手に負えない感じだし


あーいう物言いの人


苦手だし


タイプじゃないんだよね


だけど、こうして追いかけて来ちゃった俺


言葉では言い表せれない


何かに動かされてる


少ししたら、彼女が姿を見せた


｢あ･････｣


俺と目が合うと


少し困った様な表情の彼女


ミンジュン｢あの、さ。さっきのピアノ。あれ、君が？｣


｢ああ。あの曲ですか？今日弾いてるのは全部、自作曲ですよ｣


それがなにか？


って言いたそうな彼女


ミンジュン｢凄く良かった。最後の特に。草原にいるみたいで気持ち良かった｣


｢わっ。ちょっと今、私、鳥肌立ちました(笑)あれ、あの曲、草原って分かりました？｣


ミンジュン｢うん。風が吹いてた｣


｢ありがとうございます！｣


なんか嬉しい！


って、彼女は俺の手を取って


ブンブンって、握手した


｢ああああ！す、すみません！あんまりにも嬉しくて｣


そう言って彼女は


俺の手をパッと放した


ミンジュン｢ううん。謝んなくていいよ(笑)あ、僕、ミンジュンって言います。韓国で歌手、してます｣


連絡先、聞いておこう


｢あ、私はAって言います。日本でピアニストしてます。ミンジュンさん、個性的だなって思ってましたが、やっぱり音楽関係の方だったんですね｣


ピアニストって言うよりも、


女優さん寄りのビジュアルの彼女


俺を個性的だと思ってたの？


って事は･･･


やっぱりさっき、俺の事、見てたんだ？


ミンジュン｢あのさ、連絡先とか聞いちゃっても平気？｣


A｢えーと･･･それは･･･｣


少し考える素振りを見せる彼女


ミンジュン｢いや、違う。良かったら、仕事、一緒に出来ないかな？なんて思ったりして｣


A｢ああ。そうですか。でしたら、マネージャー通さないと･･･｣


ん？その言い方はなに？

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