MY HOUSE

行こう ページ37

ほら、来いよって


手をヒラヒラさせたら、俺の手を取ったチビ


テク｢会長にはお許し貰ったし。屋台、行くか？｣


チビの顔を、少し身を屈めて覗き込む


A｢えっ！ほんと！？行けるの？｣


･････と、その前に


テク｢お前、そのカッコじゃ目立つから｣


A｢オクテギョンもキメキメ過ぎで目立つでしょ｣


テク｢だな｣


テク｢俺んち、と言いたいトコだけど･･･俺、今日はこの近くのホテルとってあるから。いったん着替えに戻るか｣


A｢え。私、着替え持ってない｣


おい。お前の気にするトコはそこかよ！


テク｢これ。適当に選んだから、文句は言うなよ？｣


紙袋をAに渡す


繋いでた手をいったんほどいて


中を覗いたチビ


A｢ああ、なるほど！｣


Aの表情が


会場で見た時と違って


最初に芝生で見付けた時とも違って


キラキラしてる


テク｢お前、分かりやすいなー｣


俺の目線の下の


小さなおでこに


俺はデコピンしてやった


A｢いったい！｣


なにすんのよもー！


そう言いながらも


嬉しそうにおでこを押さえてるチビ


テク｢ほら、行くぞ｣


そう言って手を差し出せば


A｢うん｣


と言って、嬉しそうな顔のチビ


A｢ねぇねぇ。着替えるって事は、オフテギョンを見れるってわけ？｣


テク｢ああ。そうだな｣


何気に手を繋いだけど


ほんの少し


ドキドキしてる俺


あのホテル。時々利用するけど


この道をこんな気持ちで歩くのは初めてだ


A｢ねぇ、オクテギョン。なんかさ、ちょっと、ドキドキするね〜｣


お前のドキドキはどんなドキドキだ？


テク｢そんなに屋台が楽しみなのか？｣


A｢うーん･･･それもあるけど。こうして歩いてるのがドキドキするよ｣


なぁ、それって、俺とだからか？


他の奴とこうしてても、ドキドキするのか？


徒歩すぐのホテルに辿りついて


エレベーターの中


なぜだかお互いに


繋いだ手を解こうとはしなかった


俺の部屋の前。カードキー差し込んで


ピッ！


テク｢とっとと着替えて出掛けるぞ！｣


俺はドアを開けた。

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