MY HOUSE

自由人 ページ35

テク｢脱ぎ捨てたって･･･この暗がり、どーやって探すんだよ！｣


A｢や、動線はここら歩いて真っ直ぐだから、その辺にあるでしょ。多分｣


多分って･････(汗)


テク｢ちょっと待ってろよ｣


俺は立ち上がって、


チビの言うように、ここから真っ直ぐ


会場の方へ歩いてみた


なるほど、確かに


小さなヒール靴が


無造作に転がってた


拾い上げて振り返ったら


今度は噴水のヘリに腰掛けてるA


A｢あー･･･冷たくて、気持ちいー｣


どんだけ自由人だよ


テク｢お前、足冷やすぞ？｣


ほら、靴って


俺は靴を噴水のヘリに置いた


A｢ありがとう。オクテギョン。あー･･･また、あのつまんないトコに戻らなきゃなのかな･････嫌だな｣


テク｢仕事だろー。しょうがねぇだろ｣


A｢まあね。はぁ･･･どっか行きたい。明後日には日本だし。また、つまんない毎日だよ｣


Aがどんな生活をしてるのかは知らねぇけど


チビなりに規制のある生活をしてんだな


テク｢お前、旅行好き？｣


A｢なに、いきなり(笑)｣


テク｢京都、楽しかったぞー｣


A｢旅行かぁ･･･１人で行くの？｣


テク｢ああ。俺どこでも１人で行くけど｣


A｢自分の事をさ。誰も知らないトコに行くのって、楽しいよね｣


おおう。それだそれ！


ここ最近じゃ、それも難しいけど


テク｢うん。お前も旅行、すれば？｣


A｢うーん。学生時代は、よく行ったけど。もう、無理かな。長期の休みとか取れないし｣


テク｢そうなのか？｣


A｢まあね。だから、今回の韓国はちょっと楽しみにしてたの。ほら、オクテギョンに教えてもらった場所。明日行かなきゃだし！｣


ちょっと嬉しそうな顔のになったA


テク｢ちゃんと行けよ？｣


A｢うん。今度は大丈夫だと思う。ほんとはさ、屋台とかも行ってみたいんだよねー。会長には、ダメだって言われたけど(笑)｣


テク｢屋台？そんなのそこらじゅうにあるだろ｣


A｢そうなの？私、こっち来てから、その、ショップ見つけるのにタクシー乗った以外は、どこにも行ってないのよ。だから、ソウルがどんな街なのかもよく分かってない(笑)｣


テク｢夜のが活気あるとこもあるけどな｣


A｢ええ！そうなの！？｣


ここ抜け出しちゃおうかな･･･


なんて、ブツブツ言い出したA


テク｢抜け出したら、会長が心配するだろ｣

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