MY HOUSE

駆け引き？ ページ4

モノクロの中の


俺と彼女


彼女の紅いドレスと


紅いルージュだけが色を持つ


愛しさを募らせる曲が良いのか


それとも恐ろしく悲しい別れの曲がいいのか


頭の奥の箱から溢れる旋律は


何故か悲しい


んー･････


弾いてみなくちゃ分かんないな


今のこの感覚


忘れない様に


俺はスマホをポケットから出して


彼女とピアノを、そっと写真に収めた


シャッターを切ったあと


彼女がこちらに視線を向けた


なに？なんなの？


そんな表情が見て取れた


連絡先くらい聞いてもいいかな？


さっきのスーツの人は


彼女の付き人かな？


ジニョンヒョンに頼もう


会場をぐるりと見渡して


ヒョンを探す


あ、いた！


談笑中のヒョンに近付く


ヒョンが話してた人に


｢では、また｣


って言って、俺を見る


ジニョン｢何だ。仕事の話しか？｣


ヒョン、察しがいいね(笑)


ミンジュン｢うん。あのさ、あのピアノ･･･｣


ジニョン｢お前、好きだろ。あーいうメロディ｣


あ、分かっちゃった？


ミンジュン｢うん。コラボ、したい｣


ジニョン｢ったく。簡単に言うなよー･･･一応掛け合ってはみるけど｣


ミンジュン｢彼女の連絡先、聞いてもいいかな？｣


ジニョン｢まー、そこら辺はオトナだし、適当にやってくれ。おい。もちろん、仕事相手として、だよな？｣


そりゃそうでしょ


ミンジュン｢ん。多分｣


ジニョン｢多分って･･･ダメだぞ。分別わきまえろよ｣


ミンジュン｢分かってる｣


とりあえず、ヒョンに話しておけば


後はどーにかなるかな


俺はまた


さっきの場所に戻って


彼女のピアノを聴こうと思った


壁に凭れ掛かって


目を瞑る


あ･･･なんだろう。


この曲、草原にいるみたい。


そよそよ風が吹いてて


気持ちイイ


陽射しがあったかくて


風が気持ち良くて


草の香りがして


この人、何か凄くない？


めちゃくちゃイメージ湧いてくる曲


閉じてた瞼を開けて


彼女を見れば


明らかに目が合った


慌てて視線を逸らせる彼女


何、今の


もしかして、俺に興味あるの？


ピアノはクライマックスらしく


盛り上がる旋律


彼女の視線が


今度は俺を捉える


誘ってるの？


逸らされない視線


ちょっと挑戦的だな


俺、そーゆうの苦手だよ


そう思ったら


今度は思いっきり逸らされた


何てないって顔してピアノに向き合った彼女


駆け引き？


そうでしょ？


曲が終わって、捌けてった彼女

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