MY HOUSE

僕んちへ行こう ページ28

ウヨン｢こんな時にアレなんだけど･･･会場に戻んなきゃなんないや。あのさ、君、もう帰るの？｣


A｢ええ。カメラのデータをじきにバイク便が取りに来るから。それ渡したら、帰るわよ｣


ウヨン｢それってどれくらい後？｣


A｢10分かかんないくらいかな？｣


ウヨン｢だったら･･･10分後、噴水のとこ、いてよ。僕もメンバーに帰ること、言わなきゃだから｣


A｢うん。分かった｣


そうは言ったものの、


もしかしたら、彼女はそのまま


居なくなってしまうのかも知れない


ウヨン｢絶対だよ。帰ったりしたら、ダメだからね。僕、君の名刺、持ってるんだから｣


A｢うん。噴水のとこ、10分後に｣


僕と彼女はそうして約束した


急いで会場内に戻ったら


ジニョン｢ウヨン、お前って車で来てたよな？｣


ちょっと待ってよ！そんな事で呼び出したの？


ウヨン｢僕、タクシーで来ましたよ？｣


ジニョン｢あれ？そうだっけ？ジュノもそう言ってたけど･･･｣


ああ。ジュノ、逃げたんだ(笑)


ウヨン｢僕、そろそろ帰りますね。帰ってする事あるから･･･｣


ジニョン｢おお。分かった。分かった。おっかしーな。誰だ？今日、車で来てたの？｣


ウヨン｢じゃー僕はこれで｣


帰る事も伝えたし


噴水のとこに戻んなきゃ


慌てて戻ったけど


彼女の姿はまだなかった


本当に彼女は来るんだろうか？


もし来なかったら･･･


僕はポケットから、


彼女に貰った名刺を出して、電話番号を


確かめた


だけど、彼女がここに来なかった時点で


アウト、だよね


しつこく電話したって


しょうがない


その時は、潔く諦めよう･･･


そう思っていたのに


10分後･････


彼女は姿を現した


ウヨン｢来ないかと思った｣


A｢約束したのに？(笑)｣


ウヨン｢うん。あのさ、キリンのパネル、作ってくれる？モノクロで｣


A｢なに？突然、その話？｣


ウヨン｢ほら、サイズどうしようって。さっき、話したから｣


A｢あ、そうだね。サイズね｣


ウヨン｢だかららさ、これから、僕んち、来ない？どのくらいのサイズが良いか、見て欲しいから｣


A｢任せるわ｣


ウヨン｢じゃあ、行こうか。僕んちへ。話したいこともいっぱいあるしね｣


僕が手を差し出せば


何も言わずにその手を取ったAさん


聞かなくちゃ


あの鳥の写真から目を逸らせた理由も


恋をしたくない理由も


僕を見つめてた理由も


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