MY HOUSE

彼女の世界 ページ20

彼女の隣、少し間を空けて座る


ウヨン｢雑誌社のカメラマンの人ですか？｣


彼女に話し掛けたら


彼女は手元から顔をあげて


辺りを見回した


ウヨン｢ふふ、君に聞いたんだよ｣


｢ああ、私ですか！？｣


ウヨン｢うん。そうです(笑)｣


｢私は、ちょっと、先輩の代わりっていうか･･･｣


ウヨン｢あの雑誌の専属じゃないってコトですか？｣


｢ええ。そうなんです。あ、私、個人的に会社立ち上げて、カメラ、やってるんです｣


って彼女は立ち上がって


ジーンズのポケットに手を突っ込んだ


ええと、名刺名刺･････


って言いながら


シルバーのシンプルな名刺入れを出して


その中から1枚抜き取って


僕にくれた


ちょっと分厚目の


再生紙を利用した名刺


シンプルだけど、あったかみのある


ちょっと、変わった名刺だった


ウヨン｢Aさんって言うんですね。僕、2PMのウヨンって言います｣


A｢ええ！もちろん！存じ上げてます！｣


ふふ。彼女、珍しいな


カメラマンの人で


こんなに腰低い感じ珍しい(笑)


ウヨン｢そんな、かしこまらなくても良いですよ｣


そう言うと、彼女はちょっと


照れ臭そうに笑った


A｢え、あ、はい(笑)何か、会社立ち上げてから、営業もしなくちゃいけなくて、つい、口調が、微妙な敬語になっちゃうんです｣


今のは全然普通だったけど(笑)


ウヨン｢たくさん撮れた？｣


A｢ええ、まあ｣


って楽しそうじゃない顔


ウヨン｢普段は被写体はなになの？｣


A｢あ、今、私、つまんなさそうな顔してました？｣


うん、凄くね(笑)


ウヨン｢本来のお仕事じゃ、ないんだよね？｣


A｢ええ。そうなんです。食べてく為に、こういうお仕事もしなきゃなんないの、分かってはいるんですけどね(笑)｣


苦笑いの彼女


ウヨン｢普段はどんなの撮るの？｣


彼女の望む世界はどんなだろう？


A｢えっと･･･ああ、口で説明するよりも、見てもらった方が良いかも･･･｣


独り言のように彼女は呟く


傍らに置いてた、黒いバッグから


パネルを出してきて


立ち上げた


タップしてフォルダーを開けて


見せてくれたのは･･･


ウヨン｢うわぁ〜！これ、どこ？｣


スクリーンに映し出されたは


夕暮れのサファリパーク？


A｢これ、アフリカです(笑)｣


キリンの親子や


ゾウの親子


シマウマの群れとか


僕の部屋にある動物たちのリアル


ウヨン｢行ったの？｣

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