MY HOUSE

堕ちる ページ15

ほんの少し、ほんの少しだけ


羨ましかったりもするけど


ジュノ｢あの子のピアノ。独特っていうか。壮大だよね。気持ちイイよ｣


素直に口に出した俺


ミンジュン｢黙って聴いてろ｣


なに。そこ、怒るとこ？


なんだよ。アイツといいヒョンといい･････


ジュノ｢分かったよ｣


俺達は、それから2曲


彼女のピアノを黙って聴いていた


ヒョンは演奏が終わって


ようやく閉じてた目を開けた


捌けてく彼女を見てたら


何となく熱っぽい視線


さっきとは違う


ジュノ｢あれ？あの子今、こっち見たよ｣


俺はヒョンを見た


ミンジュン｢なあ。お前、ここにいろよ｣


ヒョンの視線の先には彼女


ジュノ｢はあ？なにそれ｣


ミンジュン｢俺、すぐ戻るから｣


そう言ったヒョンの視界には


俺なんか入ってなくて


俺は、人が堕ちる瞬間ってやつを見た気がした


ジュノ｢チャンソン。俺、ちょっとトイレ｣


チャンソン｢モグモグ･･･ん。分かったー｣


チャンソンに声を掛けてから


相変わらず女の人に囲まれてるクンヒョンを


横目に


俺は会場から出た


ふぅ。すましてるのって結構疲れるな〜


パウダールームの入り口


俯き加減でハイヒールを脱ごうとしてる


女の人が目に入る


って、Aじゃんか


ジュノ｢何やってんの？｣


A｢うわっ！背後から声掛けないでよ！びっくりするじゃない｣


ハイヒールを片手に


片足立ちのA


視線を落として見たら


Aの踵、真っ赤だ


ジュノ｢靴ズレか？｣


A｢だ、ね。あー･･･やだやだ。いけると思ったんだけどな｣


それ、相当痛いだろ


ジュノ｢ちょっと待ってろ｣


A｢え？なに？｣


俺は周りを見渡した


椅子･･･椅子･･･


ああ、あった


ジュノ｢あそこのソファに座って待ってろ。直ぐに戻るから｣


そう言い残して


俺は急いで駐車場に向かった


確か、後部座席にアレがあったはず！


イルペンからのソンムルに


キズパワーパッドってのがあって


靴ズレする時に貼っとくといいって。


あれ、まじでいいんだよな


後部座席のリュックをガサゴソ


あった！あった！


急いで戻ったら


ソファにちょこんと座ってたA


その隣にドカッと俺も腰を下ろす


A｢どこ行ってたの？｣


ジュノ｢駐車場。ほら、足出せよ｣


A｢え？なによ？｣


ジュノ｢いいから、出せって｣


って、Aの足首掴んでやった


A｢ちょっ！何すんのよ！｣

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